« スパークリングワイン・ディナー | トップページ | 真夜中のミートソースディナー »

2010年10月28日 (木)

「ココ・アヴァン・シャネル」-自然にまろやかなワインになるのは難しい-

オドレイ・トトゥの方の「シャネル」を見た。先日見た「シャネル&ストラヴィンスキー」の方は、すでに成功したココ・シャネルの経済的な強さ、そして成功者ならではの孤独を描いていたが、本作は、その「前(アヴァン)」の、成功へ向かって必死でもがいている若いシャネルを追っている。

主演のオドレイ・トトゥは、「アメリ」での愛らしさは封印して、常に口角を下げ気味にして不機嫌なシャネルを演じている。驚いたのだが、アンナ・ムグラリスとトトゥは同じ年に生まれている!絶対に、「ココ・アヴァン・シャネル」はオドレイ・トトゥで、「シャネル&ストラヴィンスキー」はムグラリスが演じて、正解。

今回のトトゥを見ていて、童顔の愛らしい女優が上手に年をとっていい女優になっていくのは、難しいし、損なのかもしれない、と思ってしまった。これは、ジュリエット・ビノシュにも言える。全くの私の個人的な意見なのだが。ビノシュを大学生のとき「汚れた血」で見たとき、心の底から彼女にあこがれ、彼女のように息を前髪に「ひゅー」っと吹きかけるのをまねして、異性の気を引こうとしていた。(なんのこっちゃ・・・)

当時(1980年代後半)、この「息、前髪吹きかけ女」は日本で多発していたはず。この映画はものすごく流行っていたから。そんなビノシュも、もちろん今でも美人だけど、「若いころの神々しいまでのオーラ」はない、私の意見だが。今回のトトゥも、愛想のない、孤高の人ココ・シャネルを演じるにあたっての努力だろうが、「アメリ」での夢のような印象は、得られなかった。

ジャンヌ・モローのように、歳をとっても、いや、歳をとったからこその味わい深い皺をたたえた女優になるのは、一握りなのかもしれない。

そういう意味で、私はむしろ、共演のエマニュエル・ドゥヴォスに期待している。本作で、ココを囲っている資産家バルザンの元愛人にして舞台女優の役を演じているドゥヴォス。はっきり言って、あまり美人ではない。あき竹城に若干似ている。でも大好き。デプレシャン監督の「そして僕は恋をする」の中でエステルを演じる彼女を初めて見たとき、「やられた!」と思った。演技をしているというより、エステルになりきっている彼女を見ていて、自分が、10年つき合った最愛の男と別れ、電話越しで泣くエステルになってしまったような、つらい感覚を覚えた。この女優さんは、これからどんどん歳をとって、ビンテージワインのように味わいのある存在になっていくと思われる。

最後に、永遠に愛らしいまま、現在進行形で成功している稀有な存在として、吉永小百合をあげておこう。

圭子

|

« スパークリングワイン・ディナー | トップページ | 真夜中のミートソースディナー »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ココ・アヴァン・シャネル」-自然にまろやかなワインになるのは難しい-:

» シャネル:~「どこへ出かけるときでも。」 [前向きになれる言葉]
ココ・シャネルの言葉をトラックバックさせていただきました。 [続きを読む]

受信: 2010年11月11日 (木) 16時37分

« スパークリングワイン・ディナー | トップページ | 真夜中のミートソースディナー »