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2010年11月 2日 (火)

「愛が微笑む時」-泣いたり笑ったりまた泣いたりの人生讃歌-

ロバート・ダウニーJr.の大ファンである。「レス・ザン・ゼロ」でのクスリの世界に墜ちていく悲劇のジュリアン役といい、「オンリー・ユー」での素敵な「嘘つき男」役といい、「アイアンマン」での変身ものらしからぬ超リラックスしたトニー・スターク役といい、映画によって全く別人に早変わり。どの映画でも、彼の人間性の良さがにじみ出ていて、愛さずにはいられない俳優である。

そんな私のお気に入りのダウニーJr.の1993年の作品「愛が微笑む時」は、もしかしたら私が今まで見た彼の作品のナンバーワンになるかもしれない!と思うくらい、激しく感動した作品だ。(いや、やはりナンバー・ワンは「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」での「黒人」カーク・ラザラスだ!)

いわゆる、ゴーストもの、である。死んだけれど天国にも行けず、この世にもとどまることができないさまよう魂たちと、ダウニーJr.演じるトーマスとの交流を描いている。さまよう4人の霊が、時にトーマスに乗り移るのだが、その度にダウニーJr.が中年女性風に歩いたり、柄の悪いちんぴら風に歩いたり、と、本当に乗り移っているようにしか見えない激しい演技力ではじけまくる。本当に芸達者な人だ。男前なだけではない。歌手の霊が乗り移った時の彼は、神がかりの歌唱力を見せてくれる。

志半ばで突然この世から去らないといけなくなった悲しい霊たちの身になって、悲しくなった後に、涙が出るほど笑って、最後にまた、「生きるって素晴らしい」と涙が出て、映画を見ている時間全てが充実していた。90年代の作品なので、最近の映画より、もちろんCGもちゃちだ。複雑な人間模様もあまりなく、単純に、いい人ばかりでてくる映画だ。しかし、それが逆に新鮮で、たまにはこのような素直な涙を流すことができるシンプルな映画もいいな、と思った。ビバ90年代!

この映画の後、ダウニーJr.の人生は「レス・ザン・ゼロ」を地で行くような、悲惨なものになる。薬物問題で何度も逮捕され、刑務所にも入所する。クスリを抜くために、リハビリの施設にも入った。そのころ、「もう彼も俳優人生終わりだな」と思った人も多かっただろう。復帰後の、「アイアンマン」や「シャーロック・ホームズ」の大ヒットだけを見たら、彼が地獄を見た人間だとは分かりづらい。苦労人である。

今回の「愛が微笑む時」を見ると、現在のダウニーJr.よりもふっくらとしている。現在45歳。若いころよりもずっと身体も引き締まり、目力もある。同世代を生きる人間として、ロバート・ダウニーJr.をこれからもずっとずっと見つめていきたい。がんばれ!

圭子

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