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2010年11月20日 (土)

「ビッグ・フィッシュ」-理解し合う親子-

ティム・バートン監督作品。見慣れているファンタジー、ファンタジーした設定(「シザー・ハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」など)よりも、やや現実的な描き方で、病気で死期が近い父と、その息子との不和、そして和解を映画にしている。

この映画のDVDに入っていたティム・バートンのコメンタリーを見ていて、実際に彼自身が、自分の父親とあまりうまくいっていなかったこと、そして、その「うまくいっていない関係」を修復することなく父親が他界したことを知った。バートン監督は、実際には可能ではなかった父を理解し、父と仲直りすることを映画の主人公に体験させることで、自分自身も父親を理解し、父との関係を修復したのではないだろうか。

物語は、おとぎ話のような話ばかりする父親に、正直嫌気がさしている息子が、「嘘ばかり言わないで、本当のことを話してくれ!」と反抗するのだが、父親が話していた数々のエピソードがあながち全て「作り物」ではなかったと気づく様子を描く。

父の若いころのおとぎ話のようなエピソードを描く際、色鮮やかなフェリーニ的世界が展開される。ユアン演じる若きエドワード・ブルームが一時期所属していたサーカスの団長には「あれ!?この小さい丸顔のおじさん、ダニー・デヴィートに似てる」と思っていたら、ダニー・デヴィートだった。エドワードの友達だが、巨大な身体の持ち主であるため、サーカスにスカウトされたカールを、マシュー・マッグローリーという、実際に身長がかなり高かった(諸説あるが、2メートル20センチ以上だったようだ)俳優が演じている。数年前に亡くなったそうだ。

「父親」の若いころをユアン・マクレガー、そして死期が近づいた時期をアルバート・フィニーが演じている。ユアン・マクレガーは、天真爛漫な子供のような表情をする最高の俳優だ。彼は、私にとっては常に「いい人」のイメージがある。何の役を演じていても、応援したくなる、愛すべきキャラクターを好演する。本作でも、好きな女性のためになりふり構わず困難に立ち向かう騎士のような若きエドワードを愛らしく演じている。そして、アルバート・フィニー。彼が父親役で出演している「その土曜日、7時58分」という暗い映画がある。本作のエンディングとは違い、息子と父の不理解が解決しないまま、悲劇的に映画は終わる。

アルバート・フィニーは1970年代に、アヌーク・エーメと8年間結婚している!これって、男としてかなりの「勝ち組」ではないか!?

私自身、母親とのぎくしゃくした関係が子供の頃からずっと続いていて、このままだと、バートン監督のように、母親が生きている間には関係が改善されないような危険性がある。バートン監督は親の死後この映画を作ったことによって、一種心の中の「宿題」をやり終えた感覚を得ることができただろうが、さて、私はどうしよう?と考えさせられた映画だった。

圭子

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