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2010年11月27日 (土)

「ブラザーズ・ブルーム」-日本人俳優の今後のハリウッドでの活躍を祈りつつ-

「バベル」の菊地凛子がどのような役柄を演じているのか興味があり、見てみた。今回も、「バベル」のときと同様「話さない」役だった。今回は、ろうの役ではなく、ただずっと黙っている役。主役の兄弟詐欺師(エイドリアン・ブロディとマーク・ラファロ)と共に行動する謎の日本人役だ。

兄弟の詐欺師ブルームとスティーブンの、おとぎ話のような行動、会話を見ていたら、なんとなく「ルパン3世」みたいだな、と感じた。エイドリアン・ブロディはアニメみたいな細身姿で、彼ならルパン役を実写でやっても問題ない。お兄さんのスティーブン役のマーク・ラファロも、常にひょうひょうしていて、映画の前半は、このままこの現実味のないおとぎ話のような話がずっと続くなら、ちょっと困るな・・・と感じた。

しかし、後半、富豪のひとり暮らし美人、レイチェル・ワイズ演じるペネロペが詐欺仲間に加わって、ロードムービー的要素が増えてきてから俄然面白くなる。この、レイチェル・ワイズだが、はっきりいって、今回のようなコメディエンヌ役を演じているのは初めて見た。この人、「重い」役が多かったと思う。初めて彼女をスクリーンで見たのは「アイ ウォント ユー」という限りなくダークな1998年イギリス映画。ひとりの男の人生を狂わせる恐ろしい女を演じていた。それ以来、レイチェル・ワイズを見るたびに「暗い過去を持つ女」というイメージがつきまとっていた。今回、はじける彼女(卓球をエンジョイするワイズ、DJ気どりでラップをするワイズ、ちょっと「変なクセ」があるワイズ・・・)を見ていて、やっと「アイ ウォント ユー」の呪縛から解放された!(「アイ ウォント ユー」の劇場パンフレットがうちの本棚にあった!レイチェル・ワイズってすごい。今アラフォーだが、1998年のころとあまり変わらない。かわいいまま)

はっきりいって、それほど期待せずに見ていたのだが、ラストの衝撃に、がつんとやられた。マーク・ラファロの演技力に感動した。前半ずっとひょうひょうとしていて、あまり好感を持てなかったし、むしろ弟ブルーム(エイドリアン・ブロディが情けない顔するたびに抱きしめたくなった)の方に肩入れしていた。しかし、すべて「ちゃら」になった。お兄さんは弟が大好きで、弟のためなら自分なんてどうなってもいい、と思うほどブルームを愛していたことが分かったから。

最後に菊地凛子について。白人じゃない俳優がアメリカ映画に出る場合、そこに「その女優(男優も)が『日本人である理由』が必要」になってくると思う。たとえば、「普通の役」なら、その映画が舞台になっている国、つまりアメリカ人の映画ならアメリカの人が演じることが必要となるだろう。あえて「外国人」が何かの役を演じるなら、それが「外国人」である意味がそこに必要となる(たとえば、海外から亡命してきた女性が現地アメリカの男性と恋に落ちる、など)。日本人であるということは、今後もアメリカ映画の中では「ちょっと変わった日本人」という役しか回ってこないかもしれない。普通の女の子の役なら、あえて日本人ではなくても、キャメロン・ディアスやドリュー・バリモアが演じればいいのだから。これがフランス人、とかイギリス人だったら、また話は違うだろう。主役のアメリカ人役と「対等な関係」のガール・フレンドの役もありだろう。ジュリー・デルピーなんかがそうだ。日本人の俳優が映画の中の中心的な役を得ることは、白人社会の中で「白人と同じようには扱われづらい」日本人にとって、それほど簡単なことではないと思う。セリフのほとんどない役(それでも、「ブラザーズ・ブルーム」の中での菊地の存在感はすごかった。ミステリアスかつユーモアがあり、決して脇役ではなかった)、ではなく、レイチェル・ワイズがやった役のような「普通の」役を彼女(そして、その他の白人ではない、実力のある俳優たち)がアメリカ、そしてその他の英語圏映画にどんどん出演していく時代になったら、本当に面白いだろうな、と感じた。

圭子

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