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2010年12月21日 (火)

「ジェリー」-サテリコンのような、二人の男のさまよい歩き-

ガス・ヴァン・サント監督の「ジェリー」をとうとう見てしまった。実験的映画だと聞いていたので、期待して見たが、期待をはるかに超えていた。ほとんど何も大きなことが起こらない映画だが、私には、一生忘れられない映画になった。

怖いくらいに美しい自然の中、マット・デイモン演じる「ジェリー」と、ケイシー・アフレック演じる、これまた「ジェリー」の二人は、ただひたすら歩く。飲み物もなく、食べ物もなく、まともに太陽を浴びて、皮膚は赤くなり、それでもひたすら歩く。次第に体力を失い、一歩も歩くことができなくなった二人に、何かが起こる。

この映画は、103分間のほとんどの間、上記二人がただひたすら歩き、話し、また歩く様子を描く。長回しで二人の歩く横顔をずっと流すシーンは衝撃的だった。二人のガサガサという足音と、足音と同じリズムで揺れる横顔(二人並んで歩くので、二人の顔が画面を占める割合もずっとほとんど同じ)が長時間画面を流れる。最初は楽しいハイキング的散歩だったのが、だんだん、焦りや疲労などで気がおかしくなる様子を少しずつ少しずつそれも、確実に私達に見せてくれる。

二人が幻想的とも言える自然の中をただひたすら着の身着のまま歩くシーンを見ていて、フェリーニの「サテリコン」を思い出したりもした。「サテリコン」の中のアシルトとエンコルピオほどの美しさではないが、なかなか、この二人(ジェリー&ジェリー)も、絵になる関係だった。若干「ゲイの関係なのかな?」と思わせる雰囲気はあったが、それは私の個人的な感想。なぜか、二人が足並みをそろえて延々と歩くシーンに「ゲイさ」を感じた。

ガス・ヴァン・サント監督の1995年の作品「誘う女」も大好きな映画だ。この映画の成功あたりから、ニコール・キッドマンが「トム・クルーズの奥さん」ではなく「いけてる女優・ニコール・キッドマン」と認識されるようになったと記憶する。「誘う女」(ってひどい邦題だ。原題は「To Die For」)にも、ケイシー・アフレックは出ている。

圭子

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