« 残りものには福があるディナー | トップページ | 「ウルトラミラクルラブストーリー」-松ケンの憑依性- »

2010年12月 4日 (土)

「アリス・イン・ワンダーランド」-気高い人は気高い役を無理なく演じる-

ティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」をDVDで見た。いつものティム・バートン作品に比べて、「普通だな」と思ってしまった。映像はすばらしく、ジョニー・デップも上手にハッターを演じている。だが、誰もが(きっと子供ですら)普通に楽しめる映画なので、肩すかしをくらってしまった。

映画の中で「赤の女王」を演じたヘレナ・ボナム=カーターの、偉そうな態度には感動した。偉そうな、憎らしい役を、本当に自然に演じることができるのは、実際に偉い立場を経験したことのある人なのではないだろうか?本当にふてぶてしい、周りの人にストレスを与える女王を熱演していた。

ヘレナ・ボナム=カーターは、アスキス、第一次大戦開戦時の英国首相だった政治家、の曾孫だ。父親も銀行家。上流階級出身だったわけだ。つんとした媚びない女性を演じたらぴかいちだ。

彼女が20歳のころ演じた「眺めのいい部屋」のルーシー・ハニーチャーチ。私が大学の頃、はやりにはやって、それを見て、フィレンツェに行って、ルーシーがたどった風景を実際にたどったものだ。ジュリアン・サンズのような独特なイケメンと恋に落ちる経験は残念ながらなかったが、フィレンツェは恋に落ちるチャンスがそこらじゅうに転がっている、魔法の町だった。

それにしても「眺めのいい部屋」のころのヘレナ・ボナム=カーターは、濃い眉毛で、唇をつんととがらせて、本当に可愛かった・・・私の学科の後輩にルーシー・ハニーチャーチ風の女の子がいた。「○○さん(後輩の名前)って、ちょっと外人みたいだよね。ヘレナ・ボナム=カーターに似てるよね?」と噂になっていたが、80年代後半、世の中の感覚は、「ヘレナ・ボナム=カーター似」=「愛らしい」だった。しかし、「猿の惑星」くらいから、ずっと特殊メイク系の役を担当することが増えていると思う。なんか、かっこいいよ、ヘレナ。

ルーシー・ハニーチャーチを演じた頃のヘレナ・ボナム=カーターと同じくらいの年齢の女優が本作でアリスを演じている。オーストラリア人のミア・ワシコウスカだ。彼女があまりかわいげのない、眉間にしわを寄せている愛想のない女の子なので、よかった。物語後半、潔く、自分自身の道を貫くマッチョな感じの女の子に成長していき、ある意味、「眺めのいい部屋」のルーシー・ハニーチャーチへのオマージュのような気もした。(ティム・バートンの嫁さんだし、ヘレナ・ボナム=カーターは)

もう少し、ブラックな臭いも欲しかった。ティム・バートンならではの、ブラックさが。

圭子

|

« 残りものには福があるディナー | トップページ | 「ウルトラミラクルラブストーリー」-松ケンの憑依性- »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「アリス・イン・ワンダーランド」-気高い人は気高い役を無理なく演じる-:

« 残りものには福があるディナー | トップページ | 「ウルトラミラクルラブストーリー」-松ケンの憑依性- »