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2011年1月22日 (土)

「めまい」-スコティ、ちょっと危ないですよ-

先日見たデ・パルマの「ボディ・ダブル」の中でキスする二人の登場人物の周りをカメラがくるくる回りながら撮影し、それがかなり長い時間回っていて、突っ込みどころがある、とレビューで書いたが、その元祖くるくるシーンを本作「めまい」で確認した。デ・パルマはヒッチコックが大好きらしいので、本作への敬意をこめて、「くるくる」の回数を本ものよりも増やしたのだろうか。「めまい」では一回転くらいだった。

ジェームズ・スチュアート演じるスコティと「昔婚約していた」設定の眼鏡の女性ミッジが、なんとなくだが、ハリセンボンの春奈をほうふつさせる、と思った。このミッジが住むアパートがかなりおしゃれ。この映画は1958年の映画だ。昭和33年である。終戦から13年しかたっていない。その頃の日本と言えば、ミスター長嶋が巨人軍に入団、そして、あの「チキンラーメン」が生まれたのもこの頃らしいが・・・ミッジの部屋には現在の日本のマンションの部屋にあってもかわいいであろう、おしゃれなキッチン用品(例:銅製の大小多数の鍋が壁につるすおしゃれな収納方法で飾られている、ぽんっとパンが上がる丸いフォルムのトースターが置いてある、などなど)が多数ある。そしてミッジ自身のおしゃれな服装にも注目。彼女が着る上品なカーディガンなど、現在の会社員女性が着て出勤したら、男性社員にモテモテになりそうなセンスのよさ。おまけに「革命的」なブラジャーのデザインをしたり、とやっていることもおしゃれ。前半重要な役割を演じるミッジが、映画の後半全く出なくなるのは不思議だった。ヒッチコックのコメンタリーが残っていたら、ぜひそこのところを聞きたい。

キム・ノヴァクの着る衣装も、かなりセンスよく、本当にアメリカって豊かだったのだな、としみじみ思った。終戦から13年後の日本で、あんなぱりっとしたグレーのスーツを着て町を闊歩する女性なんて、そんなにいなかったであろう。彼女の「マデリン」としての「アーニーズ」(レストラン)での出現シーンのドレスのゴージャスなこと。キム・ノヴァクが「ジュディ」になったときのホテルでの黒いドレスのときも、「やられた!」と思った。ドレス(や男性のスーツ)は、西洋人のためにあるのだな、と。デコルテをゴージャスに露出するようなドレスを着こなすには、なにか「ドレス着こなしDNA」のようなものが体内にないと難しいのかもしれない。これは、アカデミー賞のレッドカーペットの映像を見ても感じること。ロングドレスやフォーマルスーツって、まだ私たち日本人の多くは「着る」というより「着せられている」という受け身な感じがする。

と、2人の女優のおしゃれさに、1958年なのに、すごい、という感銘を受けた映画だった。

ジェームズ・スチュアート演じるスコティは、ちょっとアブナイ雰囲気だった。ある意味「ノーカントリー」のシガーと並ぶくらい、アブナイ男である。

圭子

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