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2011年2月26日 (土)

「クレイジー・ハート」-人生のやり直しはまずはコンロ掃除から-

ジェフ・ブリッジスがやたら歌がうまい。俳優なのに歌手並だな、と思って調べたら、彼はそもそも「歌手」でもあった。納得である。ステージ姿も、ちょっとお酒をひっかけながらベッドでギターを抱える姿もミュージシャンそのものだった。

昔はカントリーシンガーのスター。そして今はボーリング場でも演奏するような、「懐かしの歌手」バッド・ブレイク。前半のバッド(ブリッジス)は、歌はうまいが私生活はボロボロの六十ちょっと前の調子の悪そうな男だ。だらしない身なりだし、絶えずウイスキーを「生」で飲んでいる。そしてタバコも。しゃべる時はいつも「ゲホッ」と咳払い。さりげなくゲホッとするので、劇中タバコ吸いすぎでジェフ・ブリッジス、煙で喉が調子悪くなったのかな、と思っていた。

後半で、病院の診断でかなり肺やら心臓やらがやられていることがわかり、「あ~あの若干気になった咳はこれの伏線だったのか!」と膝を叩いた。あまりに自然な咳払いなので、彼の強烈な演技力に参った。

自堕落なバッドが生まれ変わるきっかけになったのが若き女性記者のジーンことマギー・ジレンホール。マギーって典型的美人では決してないのだが、なぜか惹かれる。たれ目が「絶対この人いい人なんだろうな」というオーラをプンプンさせている。(似たオーラをキルスティン・ダンストからも感じる)顔は若き日の乙羽信子のような「親しみ系」だが体はアンバランスにものすごいナイスボディ!(ジレンホールの珍作「セクレタリー」はかなり面白い。この2002年作品ではジェームズ・スペイダー演じる弁護士の秘書を演じている。SM映画である。なんでも演じるマギーである。)

「レスラー」もそうだが、「過去のヒーローが現在くすぶっていて、人生最後のチャンスに賭けて成功して世界にカムバック」というストーリーは、きっと今の自分だから感動するんだろうなと思う。若い時はこのような展開の話は「年寄り臭い」と思っていた。しかし今は人生後半にさしかかり、レスラーのミッキーロークやクレイジーのブリッジスの姿が「ちょっと大げさバージョンの我が姿」とも見え、他人事ではなく感情移入できるようになった。今に「老い」をテーマにした映画などにもどんどん共感して接していくのだろう。生きる上でいろいろなフェーズを経験し、それに応じていろいろなタイプの映画に接していくことができる。(だが、自分のフェーズとは真逆の映画を感動することもまたよし。四十すぎても北乃きいちゃんの「ハルフウェイ」にジーンとできるし。)映画って素晴らしい。

劇中で、「こんな人生ではだめだ。なんとかしないといけない!」と気付いたバッドがまず始めたのが家の掃除。ガスコンロを綺麗に磨いたり、要らない雑誌を束ねたり、庭の雑草を清掃。分かる!ものすごく分かる!部屋の乱れは心の乱れ。人は掃除によって、人生の軌道修正をするものだ。この映画を見終わって、思わず「五徳」をはずしてコンロをぞうきんがけした私である。本作でアカデミー主演男優賞に輝いたブリッジスに乾杯!

圭子

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コメント

もう見ました、とても好きです

投稿: 北乃きい画像 | 2011年2月28日 (月) 10時33分

北乃きい画像さま、コメントありがとうございます!きいちゃんのファンの方でしょうか・・・私もきいちゃん大好きです。また見に来てくださいね~

投稿: keiko | 2011年2月28日 (月) 17時25分

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