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2011年3月 7日 (月)

「ハードキャンディ」-狂っているのか、復讐か-

本作を見た後の率直な感想は「後味の悪い話だな・・・」というもの。エレン・ペイジの並外れた演技力には「あっぱれ!」と言いたいが、この映画のストーリーには全く共感を持てなかった。

監督は「エクリプス/トワイライト・サーガ」を後に撮ったデビッド・スレイド。映像美に関しては固唾を飲むほどだ。「普通」に撮っているシーンより加工しているシーンの方が多いと感じた。謎めいたストーリーにマッチした外観の映像だ。そこは「あっぱれ」ポイント。

そして、少年のように髪を短く切ったエレン・ペイジの恐怖すら感じさせる不気味さ。冷淡だ、特に後半。若造だと思ってなめてはいけない。彼女は、こんな映画に参加してしまったら後の人生普通に生きるのが困難になるんじゃないか?と心配になるような「おかしい人」を演じている。

ストーリーは、出会い系サイトで出会った14歳の少女「ヘイリー(ペイジ)」と30代男ジェフ(まじめそうな顔した俳優、パトリック・ウィルソン)の繰り広げる密室劇を中心にすすむ。登場人物はほぼこの二人だけだ。最初は明るく楽しそうにジェフの部屋で過ごしていたヘイリーは間もなく豹変し、挙げ句の果てにはパトリックの睾丸を切ろうとするという、精神的にも肉体的にも過酷な拷問を始める。

だが、その拷問にきちんとした理由が視聴者に見えればよいのだが、単にヘイリーが頭がおかしいのか、ヘイリーに性暴力被害者としての複雑な過去があり「小児性愛者なんてみんな死んでしまえ!去勢してやる!」という復讐劇なのかが不明瞭なので、あまりヘイリーに感情移入できないのだ。

この点、同じ密室拷問ものの「ミザリー」とは後味が全く違うのだ。ミザリーのアニー・ウィルクスには愛情すら感じたし・・・

「恐怖の暴力もの」には、主人公に対する共感が生まれないと、単に寒々しいだけなのだと思う。「時計じかけのオレンジ」を何度見ても面白いのは、暴力大好き不良少年アレックスに対して、少なからず「愛らしさ」を感じてしまう瞬間が随所にあるからだ。体の不自由な老人をけり飛ばすアレックスと、ジェフを縛り付けて去勢を企てるヘイリーとでは、暴力度では微妙な差だが、私はなぜか、ヘイリーに対して「愛」を感じることがほとんどできない。

なので、エレン・ペイジに100点。映像美に100点。しかし、共感度は50点、というのが正直な感想である。

圭子

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