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2011年3月28日 (月)

「秘密のかけら」-コリンがいい人だから・・・-

アトム・エゴヤン監督の2005年作品。舞台は50年代と70年代のアメリカ。過去と現在が複雑に描かれる。

現代(70年代)の方の若きジャーナリストを演じるカレン(時々「ボニー」と名乗る)をどこかで見たな・・・と、もぞもぞしながら見ていたが、後で調べて「ビッグ・フィッシュ」でジェシカ・ラング演じる主人公の母の「若い頃」の役を演じていたアリソン・ローマンだと分かる。本作では体当たりの演技をしていて「ビッグ・フィッシュ」のときより大人の要素が高い。過去(50年代)、の方のジャーナリスト志望の大学生役はレイチェル・ブランチャードという女優。この人のバスタブシーンには仕掛けがあるのだろうか?渾身の演技で水中「かっ!」と目を見開いている。CGかと思うほどだ・・・

話の内容はやや複雑だ。ケヴィン・ベーコン演じるラニーと今をときめくコリン・ファース演じるヴィンスは人気者二人組シンガー(兼コメディアンでもある)で、ポリオ患者救済のためのテレソンをしている。(二人が歌ったり踊ったりするシーンがかなりあり、そこが豪華だ。特にコリンは最近の「英国王のスピーチ」でかなりリアルに吃音を演じていたばかりだが、本作での「早口唱法」シーンは、あっぱれ。) マイアミでのテレソンの後から次の目的地ニュージャージーに移動する間に起こった殺人事件を探る若きジャーナリストのカレンが、自分も迷宮に迷い込んでしまう・・・(まるで劇中劇の「不思議の国のアリス」のように・・・)

コリン・ファースという役者はどう転んでも真面目でクリーンなイメージがつきまとう。だから、彼演じるヴィンスが麻薬にどっぷり使っていて、やたら怪しげな錠剤を口に含むシーンがあるのだが、サプリメントでも飲んでいるように見える。だって、真面目なんだもの、コリン。

また、観客からラニーがユダヤ人であることを嫌な感じで侮辱されたときに、その客を舞台裏に呼び出してボコボコにするときそうだ。もちろん彼の、相方ラニーに対する「愛」もあってそこまで激しく客を痛めつけたのだろうが、もうひとつの理由はきっと、麻薬で気持ちがコントロールできなくなっているヴィンスを描きたいからあのシーンが存在しているのだとは思うのだが、あれが「麻薬の影響」だと理解しにくかった。コリン・ファースがラリっているなんて!とどうもその設定を拒否してしまうのだ。コリン・ファースがあまりに紳士で正統派な俳優だから、か。

ただ、本作の「マイアミでの三人」のシーンでラニーに拒まれ弱々しく退くヴィンスの全身から溢れる悲壮感は、見逃せない瞬間だった。一連の「あのシーン」を演じるにあたり、コリン・ファースは大きな覚悟をしただろう。トラウマにならないとも限らない役だ。ケヴィン・ベーコンの役より、かなりキツいと思う。(まあ、ケヴィンもお尻丸だしだったり、かなりの「体当たり」の演技ではあるが。)

見終わった後の不思議な感覚は、「マルホランド・ドライブ」を見たときのそれと似ている。ショービズ界の裏側を描いていることも似ているし、エロチックな匂いも、似ている。こういう後味の映画、個人的に大好きなので、また再度見て楽しもうと思う。そうそう、ラニーの執事の「ルーベン」の後半での不気味さも、ぜひチェックしていただきたい。

ところで、本作を見ていて改めて感じたことがある。「ケヴィン・ベーコンはほとんど次長課長の井上だ」という事実!皆さん、そう思いませんか!?

圭子

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