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2011年4月 3日 (日)

「メグ・ライアンの恋の取扱説明書」-ラブコメというよりブラコメ!?-

メグ・ライアンの綺麗な横顔、そして、コミカルな雰囲気に体中ガムテープで縛られたティモシー・ハットンの姿をDVDジャケットで見て、久々に「ラブコメ」でも見よう!とレンタルした本作だが、コメディはコメディでもかなりのブラック・コメディ作品だった。

映画出だしの部分で、サングラスをかけ髪をアップにして忙しそうに携帯で部下に仕事の指示をしているシーンでは、往年の頃のラブコメ女王の風格が残っていた。このトーン(キャリアウーマン、でも恋には不器用で可愛い)の路線でいくかと思えば、映画は不思議な密室劇の世界に入っていく。

中年夫婦のルイーズ(ライアン)とイアン(ハットン)は週末の別荘で落ち合う。青天の霹靂だが、ハットンは他に好きな女性ができていて、ルイーズに別れを申し出る。しかし、離婚を絶対に阻止したいルイーズはイアンを監禁する、ガムテープで体を椅子に固定して・・・ そこからが、ほとんどのシーンでハットンはガムテープ縛られ状態だし、ライアンは「何としてでも私への愛をもう一度思い出させてやるわ!」と意地になる姿。可愛いラブコメではなく、一種「ミザリー」を彷彿させる密室拷問劇だ。

椅子にずっと縛られていると「call of nature」の問題が出てくる。後半はハットンはトイレの便器に固定され、そこでライアンから「よりをもどしましょうよ」的アプローチを受けるはめに。そこで一つ感じた点。これが日本の家が舞台だと、トイレで映画のシーン(複数の出演者を同時に存在させて)を撮るのは絶対に無理なので、さすがアメリカは空間に余裕があるな、という点。トイレ、バスタブ、洗面所が一室になっているケースが多い欧米ならではだ。洋式トイレだ、という点も、この映画を成り立たせることの助けになっている。ハットンが縛り付けられ(便座に、だ)、そのハットンにメグ・ライアンがもたれかかり、そんな二人は結婚式の時のスライドムービーを見て「ほら、私達こんなに楽しそうだったじゃない・・・」とかやっている。和式トイレの設定では難しいであろう。

最後まで見ると、メグ・ライアン(が演じるルイーズ)に、恐怖すら感じる。いろいろあったけど、夫婦はやはり仲直りして、幸せな余生を過ごしました、というストーリーの方がメグ・ライアンには似合うと思った。

現在ライアンはアラ・フィフだ。もう、「恋人たちの予感」や「ユー・ガット・メール」のような設定の役はできないだろう。彼女に魅力がなくなったからではなく、人生には年齢によって、適した役とそうでない役があるからだ。ドヌーヴが「シェルブールの雨傘」でジュヌヴィエーヴを演じたのは20歳の頃だ。ああいう役は、あの頃のドヌーヴだから成立したわけであり、「ポーラX」のとき、50代後半のたれかけた乳をあらわにした、ギョーム・ドパルデューの母親役は、やはり、あの頃のドヌーヴだから成立したのである。今のメグ・ライアンが魅力的に感じるような適役に恵まれてほしい。今回の役で、元気にギターを抱えて(トイレで、監禁した夫の前で)必死になって歌う彼女を見て、「彼女を『生かした』役をやらせてくれよ!」と怒りすら感じた。いい女優なので、もったいない。

圭子

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