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2011年5月29日 (日)

「ローラーガールズ・ダイアリー」-やっぱり、母親に理解されたいよな、娘は-

ドリュー・バリモアの監督デビュー作だ。なにも、こんなに困難な設定で映画を撮らなくても、もっと楽な映画にしたらよかったのに・・・本当に、よく頑張った、ドリュー。これだけでもう座布団三枚。

テキサスの田舎町ボーディーンに住むブリス(エレン・ペイジ)が、大都市オースティンでローラーゲームに出会い、「ハール・スカウト」というチームに入団し、自分の生きる場所を見つけていく、という話だ。田舎でくすぶっている時期と、自分の本当にやりたいことを見つけたときのエレン・ペイジの別人のような演技分けに、さすがだな、と感心。

この映画は単に「自分探し」だけではなく、娘なら誰でもぶつかる「母親との戦い」を描いている。私は子供がいないので、本当の意味での母親の気持ちはもちろん分からない。だが、40歳も過ぎた今、自分の人生で「ああ、あのときこうしておけばよかった」とか「もう少し工夫すれば今ごろもっといい生き方ができていたかもしれない」などとの後悔はたんまりとたまっている。自分に娘(同性の子供)がいたら「あなたにはお母さんができなかったことも、やりとげて、よりベターな人生をおくってもらいたい」と、プレッシャーを与えて息詰まる思いをさせていた可能性は大だ。なかなか自分の過去や現在に満足をすることは難しい。自分の子供には自分以上の幸せを与えたい、と感じるであろうことは、想像するに難しくない。

本作でも、母親(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、ブリスに美少女コンテストで勝ってもらいたい、とやっきになる。コンテストでブリスに着せるために買ったドレスもオーダーメードの高級品だ。(マーシャ・ゲイ・ハーデンは「イントゥ・ザ・ワイルド」でも主人公のお母さん役だった。お母さん役が上手な女優。)コンテストで優勝すれば、その後の人生も幸せになる、だからとにかく頑張れ、とプレッシャーをブリスに与える。そして、ブリスが「自分の本当の幸せは、ローラーゲームで仲間とプレーすること」と気付いた時、親子は一度決別する。

子供が自分の期待通りに動かなくなった時も、その子の意思、希望を信じて、認めてあげ、それがたとえ「一般的ではない方向」の夢だとしても応援するというのは、はたから見るよりも難しいだろう。誰だって、娘がお尻にあざを作って帰ってくるような生き方より、綺麗なドレスを着て、コンテストで優勝して、いい結婚をしてくれた方が安心するであろう。

しかし、本当は、娘は「あざはできるけど、これが一番好き。だからお母さんも応援して」と強く思うはず。娘にとって母親から認められ、誇りに思われること以上の幸せはないのだから。この映画は母親との難しい関係を体験した人だったら、誰でもいい涙が流せると思う。母親とうまく折り合いがついた人は「やっぱり親が理解してくれるのが、一番なだ」と、そして折り合いがつかなかった人は「こうやって理解してくれていたら、楽になれたのにな」と。

ブリスのチームとライバル関係にあるローラーゲームのチームにジュリエット・ルイスがいて、感動した。ジュリエット・ルイスの荒々しさ、パンクさが現在において、健在だということを確認でき、安心した。1994年作品「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の頃よりパワーアップしている、はっきり言って。

ちなみに、「ハール・スカウト」のコーチ役のアンドリュー・ウィルソンはあの、鼻の形の特徴的なオーウェン・ウィルソンのお兄さんである。

圭子

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受信: 2011年6月23日 (木) 09時12分

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