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2011年5月 3日 (火)

「純喫茶磯辺」-疾走する宮迫に号泣-

妻と離婚して、今は高校生の娘咲子(仲里依紗)と二人暮らしの男磯辺裕次郎(宮迫)は、父親の遺産で「純喫茶」を始めることに。その喫茶店を背景に、裕次郎と咲子との親子関係、咲子と彼女と別れて住む母親(濱田マリ好演)との関係、裕次郎と、新しくバイトで入ってきたわけあり風の素子(麻生久美子、汚れ役!)との関係が描かれる。

一見「嫌な女」の素子だが、自分を殴る男とばかりつき合う傾向にある彼女の男経歴を見ても、どこか悲しい背景が見え隠れする。自分のことを自ら尻軽だと公言する女に、悪い人はいない。彼女は単に、下手なだけなのではないだろうか、生きるのが。汚れ役を好演する麻生に乾杯。

過去に「実は喫茶店のレジからちょっと借りた」3000円を咲子にそっと返す素子のシーン、バイトを辞めて実家に帰るという素子を追いかけ、裕次郎が自転車で疾走するシーン、そして廃業した喫茶店跡地を見る咲子の横顔。これらの不器用軍団を見ていて、号泣してしまった。はっきり言って後半はずっと泣きながら見た。かっこ悪いキャラクターばかりのこの映画だけど、それでも生きていくたくましい人間たちを見ていて、清涼感いっぱいになる。

ところで、咲子が父の喫茶店を手伝ってウェイトレスをしているとき、しょっちゅう店にお茶を飲みに来て長居する和田聡宏演じる作家に恋をするが、最近このような「席までお茶をウェイトレスが持ってくる」スタイルの喫茶店はめっぽう少ない。シアトル系のコーヒーショップのように、いわゆる前払いでセルフサービスのショップだと、あのようなほのかな「喫茶店の恋」は生まれづらいな、とふと思った。

圭子

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