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2011年5月31日 (火)

「ミッドナイト・エクスプレス」-自由の素晴らしさ、再確認-

相手の話す言葉が分からない。そのような環境で警察に捕まってしまったり、刑務所に入れられてしまったら、あなたは耐えられるだろうか?きっと自国で同様な経験をするより、何倍も何十倍も恐ろしいだろう。

本作は実際に起きた事件を元にしているそうだ。70年代、イスタンブールの空港からハシシを密輸しようとしたアメリカ人の若き男性が空港で警察に捕まり、その後刑務所に入れられ、4年の刑期が終わる頃裁判のやり直しがあり「懲役30年の刑」となり、じわじわと精神がおかしくなりつつある姿を残酷なまでに描く。主人公の男性ビリー・ヘイズは実際の人物(現在64歳)で、本作のレンタルDVDでは特典映像で彼や彼の父親のインタビューを見ることが可能だ。映画なのでもちろん大げさな演出もしているであろうが、あまりの完成度の高さに映画を見た後悪夢を見るほどの恐怖を心に植え付けられた。

イスタンブールの刑務所(撮影はトルコではなく、マルタの首都ヴァレッタで行われたそうだ!)の描き方がかなり衝撃的である。迷路のような古いスタイルの刑務所で、常に砂埃が舞っているような、臭ってきそうな雰囲気だ。「普通」の刑務所映画と雰囲気が違いすぎる。エキゾチックすぎて、余計に恐怖だ・・・ 刑務所にも二段階あり、最初の頃はまだ囚人仲間たちと外でバレーボールする機会があったり、お風呂に入ったり、ストレッチしたり、まあ、「シャバ」には出られないが、仲間と会話したりして気を紛らわすのも可能なレベルだったが、ある事件を引き起こした後ビリーが移動させられた刑務所は、ひどかった。暗闇の中、黙々と歩き回るしかストレス解消はないし、むやみに看守にぶたれる。ビリー及び周りの囚人たちは皆、虚ろな状態だった。

誰からも監視されずに普通に町を歩き、行きたい所に行き、会いたい人に会える、むやみにぶたれたりせずに、という自由がどれほど素晴らしいことか、ノーマルな生き方だと気づきづらい。「30年の刑(それも異国で)」を言い渡されたときのビリーの絶望に満ちた表情は、見ている私の胃に潰瘍をいくつか作ってくれた可能性がある。この映画は、痛い。

そんなとんでもないビリー・ヘイズを激しく演じたブラッド・デイヴィスは、若干ブラピ似のイケメンさん。今どんな俳優になっているのだろうと調べると、90年代に41歳の若さで亡くなっていた。

学生のときドジをしてビザの種類を誤って選択してしまい、旅行中スロバキアとハンガリーの国境の警察の小屋のような場所にしばらくの間「軟禁」されたことがある。小屋に入れられた理由がビザの問題だと理解できるまでやや時間がかかった。電車内のパスポートコントロール時に係の人に質問された際、言語が理解できなかったからだ。英語は世界の共通語ではないことも分かったし、何も悪いことをしてなくても警察風(軍人風)の制服を着た人に囲まれると精神的に追いつめられ、「私、決して怪しい人じゃありませんよ!」と過度に演じて汗をかくことも分かった。若き日のミニ版「ミッドナイト・エクスプレス体験」であった。

圭子

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