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2011年6月20日 (月)

「マグダレンの祈り」-胃が痛い・・・恐怖の2時間-

昔々、の話ではない。舞台は1960年代のアイルランドだ。ついこの間、の話だ。そして、架空の話ではなく、舞台になった修道院は1996年まで実在していたのだ。

厳格なカソリックが支配していたアイルランド。マグダレン修道院は「道を外れた」女性たちが集められたいわば更生施設だ。しかし、ふたを開けてみれば、「道を外れた」わけではなく、単に人よりも可愛いので、男の子からしょっちゅう声をかけられる「もてる女の子」であるだけで修道院に入れられた子、いとこにレイプされた「被害者」である女の子、結婚せず子供を産んで、家で邪魔者になり、入れられた子・・・ 今の世の中だったらこれらのどんなケースも「更生施設」に入れられるようなものではない。女の子は自由に男の子と話したり、つきあったりする。レイプはする方が悪い。された方は決して悪くない。結婚前に子供ができる場合もあるだろう。そのまま結婚したらいいし、もし結婚できない状態でも、産んだ子供と無理やり引き離され、その後親に修道院に無理やり引っ張っていかれることは、あり得ない。このようなあり得ないことが、かなり最近まで行われていたという事実に、恐怖を感じた。

修道院での女子たちの生活は、想像を絶するものだ。ひたすら、洗濯をさせられる。映画の終わりの方でやっと洗濯機が導入されるが、それまでは、洗濯板を使った手洗いだ。神父のカラーや服も洗う。そして、修道院内の洗濯ものだけではなく、クリーニング屋の車で運ばれてきた洗濯ものも「仕事」として洗う。その仕事で修道院に入るお金は、シスターがうれしそうにビスケットの缶にため込む。まるで、刑務所だ・・・

本作のレンタルDVDには、特典映像で実際に修道院で悲惨な経験をした女性(今はお年寄り)のインタビューを含む、ドキュメンタリーが入っている。映画と同様、いや、むしろ映画よりも恐ろしい現実があったことが分かる。現在の日本で、自由に、男女平等で、普通に生きていることが奇跡に思えた。国は違えど、日本だって過去には、不幸な思いをして、生きづらい環境で生きていた女の子もいたはずだ。現代に生きていたらそんな不幸は経験せず、ただ、時代が違っただけで、世間や家族の偏見を受け、つらい生き方をせざるを得ない女性もいたはずだ。私たち女性が笑って生きているこの時代は、歴史の中でたくさんの国の、たくさんの女性が流した涙で成り立っているのかもしれない。

修道院に同じ日に入ってくる三人の娘の中のひとり、「マーガレット」の役を演じる女優だが、このアンヌ=マリー・ダフ、な、なんとジェームズ・マカヴォイの嫁はんだった!!「終着駅 トルストイ最後の旅」ではトルストイの娘さんの役であったが、地味目だが、味のある女優。

圭子

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