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2011年9月 4日 (日)

「塔の上のラプンツェル」-娘の幸せを、母親はともに喜べないのか-

グリム童話の「ラプンツェル」を原作としている本作は、尋常ではない。恐ろしいほどのリアルさだ。主人公のラプンツェルの髪の毛の動き方、馬が通った後の草の揺れ方、夜の空に浮かび上がる数々のランタンの光り方。実写のような映像をアニメーションで表現している。2億6千万ドルの製作費をかけて作っているだけある。

とある王国の塔に住む18歳の娘ラプンツェルは、生まれてから一度も地上に降りたことがない。母親の「外界は怖いところ。絶対に外に出てはいけない。あなたのために言っているのよ」という言葉をずっと信じて、毎日壁に絵を描いたり、掃除をしたり、本を読んだり、と塔に「閉じ込められて」いる。

そこにたまたま現れるのが、泥棒の一味、フリン・ライダー(のちに、本名が「ユージーン・フィッツハーバート」だと判明する)だが、彼との偶然の出会いにより、ラプンツェルのかつてからの「自分の誕生日に夜空を光で染める物体が何であるかこの目で確かめる」という願いを実現化することに成功する。

母親からの呪縛を断ち切り、自由の世界で狂喜乱舞しながらも「いや、こんなことしていていいんだろうか?お母さんを悲しめる結果になるだろうか?家に戻ろうか?」と悩むラプンツェルの姿は、なんとなく、18歳になり、一人暮らしを始めたころの自分自身を思い出させる。多くの女性が、ラプンツェルに自分を投影するのではないだろうか?

そして、娘が「外の世界」に興味を持ったり、出て行ってしまったりすることに脅威・恐怖を感じる感覚も、もしかしたら母親世代の人がこの映画を見た際、共感するのかもしれない。

母と娘が同じ方向を見て、双方が幸せを共感するのは、今も昔も難しいことなのかもしれない。

原題は「Tangled」。「ラプンツェル」という名前は入っていない。「こんがらがった」とか「もつれた」とかそういう意味のタイトルになっている。ディズニーが、女子だけではなく男子からの支持も得ようとして、タイトルを「Rapunzel」から「Tangled」に変更したとのこと。確かに、主人公は女の子のラプンツェルだけでなく、悪者キャラから徐々に改心し、いい青年に生まれ変わるフリン(ユージーン)でもある。(ところで、フリンのキャラクターを見ていて、「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディを思い出した。そっくり、と言って、過言ではない。)

子供向けかと馬鹿にしていたら痛い目にあう。ラストのお祭りシーンでは号泣している自分がいた。(夢をかなえた様々のキャラクターが一同に集まるシーンである。)

圭子

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