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2011年11月 3日 (木)

「傷だらけの男たち」-どうせなら、Carlo Rossi じゃなくてもいいかも-

トニー・レオン、本作では、珍しく「汚れ役」だ。「レッドクリフ」のときのように、彼と金城武とを同じ画面で見ることができる、非常に豪華な作品である。

愛すべきトニーが演じる「ボス」は金城演じる「ボン」の上司だ。二人は刑事。ある事件が原因で、金城は刑事を辞め、探偵になる。酒浸りの探偵だ。トニーは富豪の女性と結婚するが、嫁の父親とその執事が残忍に殺害される事件が起こる。犯人のふたりは見つかったが、嫁は「真犯人はほかにいる」と疑い、探偵である金城ボンに調査を依頼する・・・

この作品は、犯人探しを描いてはいない。トニー・レオン演じるボスことラウが犯人であろうことは、映画の前半部から示唆されている、そして、そうなのだ、ラウこそが殺人事件の犯人なのだ。一体どうして彼は嫁の父(と執事)を殺したのかを徐々に知る、そして調査していくうちに、信頼を寄せている大好きなボス、ラウのことを「もしや彼が犯人なのでは?」と苦悩していく金城ボンの心の動きを見るための映画なのだ。

メガネのトニー・レオン(時に複雑な表情をする、哀愁の王子トニー)、ウイスキーで酔っぱらっているシーンが大半の難しい役柄を好演している金城君も見ごたえがあるが、女優陣もなかなかよい。トニーのクールな嫁スクツァン、を演じるシュー・ジンレイ。ちょっと真木よう子風。淡々としていて、映画の空気を引締めていた。終盤はベッドに寝たきりだったり、と演技の難しいであろうシーンが多かったが、あっぱれだった。金城君といい仲になるビール売り娘役のスー・チー。脚がまっすぐで長くて、背も高く、金城武と並ぶと絵になる女優だ。ただ、このスー・チーの演じるフォンという女性と、金城ボンの関係の描かれ方はやや量が少ないので、感情移入が難しい。(そして、金城ボンと、元恋人レイチェルとの関係も、描かれ方が薄かった。)

香港映画を見るときの難しいポイントに、役の名前が覚えづらい、ということがある。たとえば、スクツァンの父親(そして、トニーに殺害される人でもある)は、「チャウ」だが、トニー演じるラウ刑事の本名の苗字は「チャン」。この「チャウ」と「チャン」の関わりについての金城の語りのシーンはDVDで何度か見ないとどっちがどっちだかすぐに混乱してしまった。チャウの執事は「マン」だが、字幕で「マン」と急に出てくると、英語のman をなぜか連想してしまい、人の名前かどうかわかりづらくなってしまう。おまけに、トニーの嫁「スクツァン」だが、名前が覚えづらい。英語名のニックネームなどで呼び合ってほしいものだ。ほかにも、「キョン」とか「チョイ」とか、聞きなれない響きの名前ばかり。同じカタカナ系の名前でも「スティーブ」とか「ベン」とか「キャサリン」とかだと、かなり頭にも定着するのだが・・・結構頭を使わないといけない、香港映画って。

だが、同時に香港映画独特の、ほっとする場面もある。「お箸」のシーンだ。トニー・レオンっておいしそうに食べる。本作でも、「ご飯とおかず」のシーンがあり、トニーの「お箸場面」を楽しむことができる。ものすごくスタイリッシュなマンションで、お椀にはご飯、大皿にはおいしそうな中華料理、という夕飯のシーン。落ち着く・・・ 同じく、トニーがおいしそうにご飯とおかずを食べるシーンは「花様年華」でも見ることができる。ああ、トニーにご飯を作ってあげたい!炊きたての白いご飯とおかずを!

それにしても、「恋する惑星」(Chungking Express!!)で警官223を演じていた金城君も、本当に大人の男に成長したな。「恋する・・・」ではパイナップルの缶詰をひたすら食べていた青年が、ちゃんと仕事をしている(酒におぼれてはいるが)のを見て、時の流れを感じた。

印象的なシーンがある。トニー・レオンがチャウ殺害の後、寺の横を歩いている時の、斜めの道の壁に書かれている文言。よく見ると「南無阿弥陀仏」とあった。

すでにハリウッドでのリメイクが決まっているとのこと。さあ、トニーの演じた卓球のうまいキャラクター、米国でも「卓球」という設定でいくか?それともテニスにでも変えるか?ラケットのように後々重要になるアイテムが必要なので、たぶんテニスだろうな・・・と予想する。

ラスト(この終わり方は、映画の全体の雰囲気からは若干違和感を感じたが・・・)のスー・チーがグラスに注ぐワインって、Carlo Rossi の白に見える。おいしいワインで私も普段よく飲むのだが、本作のように、結構むちゃくちゃいろいろあったお話のラストならば、シャンパンにでもした方がよかったのでは?と正直思った。むちゃくちゃリーズナブルなワインやないかい!?

圭子

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