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2011年11月 3日 (木)

「カーズ」-成長する主人公とともに、自分も成長する楽しみ。ピクサー最高!カチャウ!-

新人レースカー「ライトニング・マックィーン」は、カーレースでチャンピオンを狙っている。ちょっと自分に奢ったキャラだ。「I love being me.」と呟く自分大好き人間(いや、「自分大好き車」だ!)だ。勝負のレースの行われるカリフォルニアに向かう途中、マネージャーのマック(これまた「車」)の車内から落ちてしまい、うら寂しい田舎の町にたどりついてしまう。このままではカリフォルニアのレースに間に合わない!ハイウェイの陰に隠れたルート66にある「ラジエーター・スプリングス」というさびれた町で、マックィーンを待ち構えているのは?

物語は、マックィーンの「成長」、そして、さびれた町が、盛り返しを見せ、また以前のように栄え始める「復活劇」を描く。前者と後者はきちんとリンクしていて、見ているものをほろりとさせる。

本作のキャラクターはすべて、車、だ。飛んでいるハエまでも、よく見ると車。ニュースレポーターも、車。カーレースの観客も、車だ。車の免許もないし、基本的に車に全く興味のない私のような人間が見ても、非常に楽しむことができる。随所にちりばめられた大人が喜びそうなディテールが、「う~さすがピクサーだな」と唸らせるからだ。

ラジエーター・スプリングスのメンバーがすごい。ポール・ニューマンが声を演じるドック・ハドソンは町の医者だが、昔々、レースカーだった過去がある。不本意な形で引退をせざるを得なかった過去なので、町の仲間には正体を明かしていないが、倉庫にあるチャンピオンカップを見つけたマックィーンは大物の過去に気づいてしまう。そんな長老の指導を受けながら、レースカーとして、大きく成長していくマックィーン(声はなんとオーウェン・ウィルソン!)。

ロマンティックな関係をマックィーンと結ぶことになるポルシェのサリー。彼女も昔は都会で弁護士をしていた車だが、この町に休暇に来て、町の素晴らしさをすっかり気に入ってしまい、そのまま住みついたという面白い過去を持つ。元弁護士だが、今は町でモーテル経営者をしている。

ジミヘン好きなヒッピーな車、フィルモアはフォルクスワーゲンだ。ジミヘンと言えば、「ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト」。この役名もそこからとったのかもしれない。にやりとしてしまう仕掛けが満載だ。

最初の30分くらいは、車にあまり興味のない私は「今回のピクサーはもしかしたら合わないかな」と正直思ってしまったのだが、マックィーンがラジエーター・スプリングスの車たちと交流を持ち、「レースでチャンピオンになることなんて、たいしたことじゃないかも。そんなことより、純粋に走ることが気持ちいい。そして、友だちがいるって、幸せだ」という、生きる方向性が見えてきたあたりから、ぐいぐい引き込まれていく。そして、近くにハイウェイができたことで、お客さんがとんと来なくなり、さびれてしまった町が、新しいメンバーマックィーンを迎えたことにより、いろいろと努力をして町を盛り上げる様子は、巨大スーパーができても、負けずに工夫をして商売を続けていく下町の商店街のようで、ここでもまた、感動を生む。

描いている内容は、非常に、当たり前のことだ。年長者のことを敬い、友だちを大事にし、驕らず、そして、純粋に好きなことを愛す。こういうシンプルなことを普段は忘れがちだが、初心に戻れば案外幸せって自分の近くにあるのかも、という、大人こそが知っておくべきことを、教えてくれる。たまんないな、ピクサー。いつも見た後自分が少し純粋になっている気がする。(早く「カーズ2」も見たい。日本も舞台の一つだそうだ!)

カチャウ!

圭子

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