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2011年12月31日 (土)

「PERFECT BLUE」-思わず「どや顔」。日本のアニメは世界1-

どうだ、参ったか、日本はすごいんだぞ。という気分になるときがある。外国で日本の芸術作品に出会い、周りの現地人も魅了されているときに、「ふふ、どうだ、私もこの作品が生まれた国から来たんだぞ。」と「どや顔」をしてしまう。1995年、オックスフォードに住んでいたとき、地元の小さな映画館で「GHOST IN THE SHELL」を公開していたので、見に行って、周りのイギリス人たちが「がつん」とやられているのを横目に、「かっこいいだろ?日本人ってすごいだろ?」としたり顔をしていたものだ。別に自分が押井監督なわけではないのに、「私の作品、いいでしょ?」という気分になる。日本には「芸術」という武器があると私は思う。わかる人にはわかる、武器だ。

この「PERFECT BLUE」(1998年作品!今見てもまったく古さを感じさせない!)も、世界的に影響力の強い作品だ。私の大好きな「レクイエム・フォー・ドリーム」の、ダーレン・アロノフスキー監督が今監督のファンであること、そして、「レクイエム・・・」でのジェニファー・コネリーの「浴槽の雄たけび」シーンが本作のワンシーンへのオマージュであることを知り、それがきっかけでこの映画を見ようとずっと思っていた。(「PERFECT BLUE」での未麻ちゃんの浴槽シーンは、「ばかやろううう!!」だった。ジェニファー・コネリー演じるマリオンの悲痛の叫び同様、あのシーンは、きつい。)

本作は、サイコサスペンスである。三人組のアイドルユニット(ファンから熱狂的に愛されているが、デパートの屋上のイベント会場でショーをするのが関の山、のアイドルだ)から卒業し、本格的女優を目指す未麻。彼女が「大人の女優」へ転換を図る中、抵抗感を持ちながら受け入れるドラマでのレイプシーン、そしてヘアヌードの撮影などを経験し、「これが本当に私のしたいことだったのか?」と葛藤していく中、精神的に追い詰められ、幻想(アイドル時代の自分自身が時折目の前に現れ、「あなたは汚れている」と批判する)に追われるようになる。そして、自分が自分の現状に満足していない裏では、自分が脱退したアイドルユニット(今は二人組)が徐々に成功していくのだ。

未麻の精神の乱れを描きつつ、物語は、未麻の周りで多発する殺人事件や、不気味なストーカーの謎を描く。

このまま実写化してもものすごくおもしろい映画なるはず。かなりの完成度だ。だが、やはり、描かれる血の量や、幻想シーンを考えると、アニメでしか描けないのかもしれない。(幻想の「アイドル時代の未麻」の浮遊する姿は、アニメでしか無理だろう。本当に、怖い。夜の東京の街の上空をぽーん、ぽーん、と浮遊する、未麻。)

本作の監督今敏氏は昨年膵臓癌で亡くなっている。46歳の若さで、だ。今はただ、彼の過去の作品を大事に振り返ることしかできない。しかし、アロノフスキー監督が「レクイエム・・・」の中でオマージュしたように、今後今監督に影響を受けた世界中の映画監督たちが、敬意を表し、彼からインスパイヤされたシーンを自作に織り込んでいくのかもしれない。Youtubeを検索すると、昨年亡くなった今監督へのメッセージ映像が多数見つかる。いろいろな国のファンが、今監督への感謝を述べている。

圭子

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