« 塩麹でサーモンを漬け込みましたディナー | トップページ | いろいろトッピングうどんでディナー »

2012年5月 9日 (水)

「ふたりにクギづけ」-悪者がいない世界に乾杯-

ファレリー兄弟監督作品は、よい。controversialなことを題材にしていても、暖かく描くので、なぜか見終わった後にほっとする。悪者がいない世界は、本当に、心地よい。本作は、障害者を題材にしているが、決して押しつけがましくないメソッドで、私たちに別の視点で物事を考えるように諭してくれる。

レンタルDVDのジャケットをパッと見ただけで、何も前知識を持たずに借りてきた映画だ。オープニングで「結合双生児」を主人公に持ってきた作品だと知り、かなり驚いた。そういえば、ジャケットでは、主演のマット・デイモンとグレッグ・キニアがえらく近く「くっついて」立っていて、大笑いしていた。まさか、彼らが本当にくっついていたとは!

映画の中で結合双生児が扱われている場合、「主人公の関心事は『このこと』ばかりなのでは」と思うものだろう。しかし、私たちの予想は外れる。デイモン演じるボブと、キニア演じる双子の兄ウォルトの話す内容は、ウォルトが演劇会(彼は俳優志望)で着る衣装のことやら、出会いのサイトで知り合ったボブの彼女のことやら、ものすごく「普通の」ことばかり。物語は、普通のことに悩み、普通のことを楽しむ、普通の兄弟をカラフルに描くのだ。

結合双生児だけではない。いろいろな障害を持った人はたくさんいる。そのことは皆知っている。ただ、障害を持つ人が自分の身近にいるシチュエーションになった人はどれだけ多いだろう。そして、双方が「普通に」話し合い、付き合い、関係を持っていくことをできる人がどれだけいるだろう。本作では、夢のハリウッドに挑んだボブとウォルトがエイプリル(エヴァ・メンデス好演)という、同じく夢を求めてハリウッドにやってきた女の子と出会う。この子が、至極普通に2人に接する姿を見て、カッコイイな、と思った。そりゃあ、最初は驚く。ハリウッドなので、ボブとウォルトが上半身裸でバーベキューをしているとき、「それ、どこでやったの?」(多分彼女は特殊メイクか何かかと思ったのだろう)と、ハリウッド風な驚き方をするのだが、体がくっついた状態で生まれたことを説明すると、その後は、ごく普通な付き合い方をする。無関心なわけでも、突き放すわけでもなく、普通に接するのだ。

こういう描き方ができるファレリー兄弟に乾杯。そして、本人役を演じるシェール(相変わらず、信頼できる大人を演じたら天下一品)や、大御所メリル・ストリープにも乾杯。

それにしても、マット・デイモン、ジェイソン・ボーン役のときは、いつもより2割くらい精悍でキレがいい、と思っていたが、こういう役(ボブ)、むちゃくちゃいいと思う。時々パニック障害になり紙袋を使って呼吸したり、インターネットで知り合った彼女に「兄」のことをなかなか伝えることができず悶々としたり、お兄ちゃんと息を合わせてハンバーガーをスピーディーに作ったり・・・と、人間味あふれるキャラクターを好演したマットに今後も「クギづけ」!

圭子

|

« 塩麹でサーモンを漬け込みましたディナー | トップページ | いろいろトッピングうどんでディナー »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ふたりにクギづけ」-悪者がいない世界に乾杯-:

« 塩麹でサーモンを漬け込みましたディナー | トップページ | いろいろトッピングうどんでディナー »