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2012年6月 1日 (金)

「ELVIS/エルヴィス」-ただただ、ジョナサンは神だ、キングだ、と再確認するしかない事実-

エルヴィス・プレスリーにどっぷり影響を受けた世代ではない。1977年に42歳で他界したエルヴィス。小学校だった私の記憶には、死ぬ前の彼の肥満の姿=エルヴィス、だった。何も知らなかったし、正直、興味もあまりなかった。

学生の頃、バンドをしていたが、「Blue Suede Shoes」をコピーすることがあった。だが、エルヴィスのバージョンではなくダイヤモンド☆ユカイのバージョン("drink my sake at karaoke bar")のコピーをした。エルヴィス・プレスリーのバージョンを聞いたのは、この映画を見た時が初めてだった。

どちらかと言うと、エルヴィスの人気が下火になるころに台頭してきたビートルズの方に魅力を感じていた私だが、この映画を見て、ぶっ飛んだ。そして、今はエルヴィスの生涯、音楽、映画など様々なものを追っていきたいとまで思っている。それだけ、主演のジョナサン・リース=マイヤーズが熱く熱く、強く強く私たちにうったえかけてくるのだ。エルヴィスが息を吹き返したかのように、歌い、下半身を振る。熱く熱く。(ジョナサン・リース=マイヤーズはテレビシリーズ「The Tudors」でも実在の人物であるヘンリー8世をとてもオリジナルな形で演じた。それまで全くと言っていいほど興味のなかったヘンリー8世にどっぷりとつかった経験がある。ジョナサンは亡くなった過去の人を生き生きと演じ、現代を生きる私たちに「きゃああ、この人面白い。興味津々」という気持ちにさせる天才だ。)

本作では、肥満のエルヴィスは描かれない。10代の若者のころ、母親へのプレゼント(この映画の中では、究極のマザコン息子を演じているジョナサン。笑えるほどのマザコン息子で好感が持てるほど。)用に自主製作でレコードを録音するところから、一時期落ち目で休業状態だった彼が、1968年の復帰テレビスペシャルで堂々とカムバックする頃までを描いている。エルヴィスの晩年は描いていないのが、いい。やはり、あの姿で、あの若さで亡くなる結果をすでに知っているので、落ちていく彼を見るのはつらいから。

この映画で描かれていることがすべて事実なのかは、エルヴィスファンではないのでわからない。事実だとして、の話だが、本作で描かれる「パーカー大佐」というマネージャーの意向に常に従い、「本当の自分」ではなく途中からは「大衆が喜ぶであろう虚構の自分」を演じないといけなくなり、精神的に辛くなり、大量の薬におぼれていくエルヴィスのような超スーパースター、超アイドルは、もう現代には存在しないだろうな、と感じた。彼ほどのカリスマ性、ファンを失神させるほどの神々しさ、「キング」というニックネームをつけられる存在は、もう2012年にはいない。神に近くなり、神からやきもちをやかれ、少し早めに天国に召されるような、絵にかいたような存在は、60年代、70年代までのものなのかもしれない。

ジャニス・ジョプリンの有名な言葉に、"Onstage, I make love to 25,000 people, then I go home alone."というものがある。そうなのだ。60年代の人気者は、孤独だったのだ。それに比べると、今はエルヴィスのような太く短く生きる歌手も、ジャニスのようにヘロインで死んで、伝説に残る歌手もいない。そんな不器用な生き方ではなく、「自然体」で恋愛も楽しみ、玄米を食べて、ヨガをして、バランスのいい生き方をした芸能人ばっかりだ。熱く生きるのははやっていないようだ。しかしこれだけは言える。体にいいものを食べ、家庭とのバランスをとりながら無理せずに活躍する芸能人は、誰ひとり伝説には残らないことを。そして、私は不器用だけど、伝説に残る人の方を信じる。決して早死にはしないでほしいが、ジョナサン・リース=マイヤーズも絶対に映画の歴史に残る人だ。奥田瑛二似の横広がりの意志のある鼻を持つジョナサン。今後も私たちを魅了し続けてくれ~

圭子

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