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2012年6月25日 (月)

「おまけつき新婚生活」V.S. 「パリより愛をこめて」-後味の悪さ、格別!-

後味の悪い映画を見た。一つは原題が「Duplex」。一軒の中に二世帯住むことができるアパートのことだ。ベン・スティラー演じる作家アレックス(作家と言ってもまだ一作ハードカバーで出版しただけである。二作目に苦戦中。)と、雑誌社に勤めるナンシー(ドリュー・バリモア)。二人が不動産屋とともに新居探しをするところから映画は始まる。2人は新婚さん。

ちょっと普通ではないが、duplex の二階部分にかなりの高齢のおばあさん(役名、「コネリー夫人」)がすでに住んでいる状態にもかかわらず、値段的にも手ごろなこのアパートを買ってしまう2人。「まあ、おばあさんも高齢だし、私たちに子供ができるころには生きていないでしょう。(そのときには二階は子供部屋に・・・)」というもくろみだが、このおばあさん、かなり元気である。そして、かなり鬱陶しい。

快適な環境(2人で住むにはかなり余裕のある間取り)で昼間しっかり執筆活動に専念しようと思っていたら、「風呂の水がおかしい」「鼠が出て困る」「薬屋に連れて行ってくれ」・・・と、アレックスをノイローゼにしようとでもしているのか?という攻撃ぶりで、このあたりのコネリーばあさんの横暴ぶりが、かなり不快である。だが、心のどこかで「映画の最後で、実は彼女にこのような異常性のある行為をさせていたのが、心の傷からであった、ということがわかり、新婚カップルの二人とおばあさんの間に暖かい関係が生まれる」という奇跡をずっと待ち続けてしまった私だ。このまま、不快なまま終わるわけがない!だってDVDジャケットで微笑むベン・スティラーとドリューはこんなに優しい顔をしているのだから!

アレックスのみならず、ナンシー(コネリーばあさんのが仕事場にまで妨害の電話をかけてきたり、で結局クビになる)も散々な目に合い、最終的には「殺意」すら抱いてしまう、というブラックさに物語は進展する。ラストは、まあ、誰も死んだりもせず、どうにか「普通」に終わるが、どうしても、あのばあさんが期待通りに「実はいい人」という展開にはならず、気味が悪いほどの悪人であったことが、夏目漱石の「こころ」の「鉛のような飯」のように、胸をむかつかせる・・・

どちらかと言うと、アレックス&ナンシー夫妻の共通の友人である、作家仲間クープ(ジャスティン・セロー!)&セリーヌ(アンバー・ヴァレッタ!!え?女優もしていたんですか?)の夫婦の方が下手すると「影の悪人」なのでは?とすら勘ぐってしまったほどだ。たとえば、クープが作家としてアレックスにライバル心を抱き、アレックスが執筆に集中できないようにと、コネリーばあさんを利用した、とか。(なぜならコネリーばあさんが、こんなに年寄で、こんなに悪者とは考えづらいから。)

それにしても毎度のことだが、困難な状況でストレスをひしひしと感じても、決して大声を出さず、ひたすら澄んだ瞳で耐える、という役柄がどうしてこんなにうまいのか、ベン・スティラー!演じている役のタイプは「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズでデ・ニーロに気を遣う婿のゲイロードと今回は同じである。

ドリューに関しては、まあ、これはアメリカの女の人の特徴なのかもしれないが、「こういう女の子と一緒にいたら、付き合う相手の男はみんな、いい気分になるなああ」という女の子を好演していた。ドリュー・バリモアを見て、いつもそう思う。そして、ありとあらゆる、ジェニファー・アニストン演じる役柄でも、そうだ。いわゆる、フランスのファム・ファタール系女優たちのような「私と一緒に地獄に落ちましょう。私を愛し、そして私を殺すがいい。」という気配を全く感じさせない。何か失敗しても「大丈夫大丈夫!全然平気だよ!なんとかなるよ~。ま、スタバでも行ってラテ飲もう!」と軽く流してくれそうな、気楽さ、そして、セックスシーンもスポーツのような健康的さ。ある意味学びたい、この人生を軽く楽しむ技を。

「超」、がつくほどの後味の悪さをドリューの軽さとベンの澄んだ瞳が救ってくれる・・・ので、大丈夫大丈夫!

そしてまたもう一つ、「パリより愛をこめて」も、後味のあまりよくない映画だった。ジョナサン・リース=マイヤーズ見たさに借りて見たが、相変わらずのカッコよさにしびれる。しかし本作も、普通のアクション映画かと思いきや、「テロリズム」というダークなテーマも盛り込まれていて、軽く「ドンパチ」を楽しもうとしか思っていなかった私には、想定外の重さだった。

パリのアメリカ大使館員のリース(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、実はCIA見習い捜査官(この辺が、ややこしい)であり、CIA本部から送られてきたベテランのワックス(かなり体格がよくなってきた、最近お騒がせのトラボルタ)とタッグを組んで、パリの麻薬組織を捜査する・・・という感じなのかな?と思っていたら後半はどんどんテロの攻撃からパリを守る、という壮大な物語へ・・・そして、どんだけ撃ったら気が済むんや?トラボルタ!というほど、彼は銃を撃ちまくる。数分おきに銃撃シーン。「パリより愛をこめて」というくらいなので、ジョナサン・リース=マイヤーズの「愛」のシーンもちょこちょこ挿入されているかな?と期待していたのだが、ガールフレンドといちゃいちゃ的シーンは最小限に抑えられている。(抑えんでええのに!!)

この、「ガールフレンド」を演じるカシア・スムトゥニアクというポーランドの女優が、これでもか、というくらい若き日のナスターシャ・キンスキー似で、驚いた。キンスキーを小粒にした感じの女優である。とてもかわいい。

テロの描き方が、非常にヘビーで、ジョナサン&トラボルタの軽めの「相棒もの」を期待していた人にはきつすぎるかも、しれない・・・そして、やはりアメリカ英語の役は、アイルランド人のジョナサンには、あまりぴたっとこなかったなあ。

圭子

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