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2012年10月15日 (月)

「ドニー・ダーコ」-世界を救ったヒーローの物語-

(ネタバレせずには語れません。失敬!)

ドニーの1988年10月2日から10月30日まで(そして、もう一度10月2日へ戻る)の青春の旅に付き合う映画だ。ドニーは精神科のドクターのもとへ通う高校生。夢遊病も持っていて、気がつくと朝、とんでもないところまで自転車をこいでいってしまっている。路上で目が覚め「あ、またやっちゃった」という苦笑い顔をするところで美しいオープニング。ドニーの暗い表情、皮肉の笑顔、そして、恋する甘い顔。さまざまなドニー・ダーコの揺れ動く表情が「青春ってこういう時期だな」ということを大人にも思い出させる。本作は痛くて甘い、青春映画だ。

10月2日に飛行機のエンジンがドニーの家に落ちてきて、ドニーの部屋はつぶされる。運良くその夜中に外にでていたドニーは助かる。そこから、恋の出会いもありつつ、30日まですごし、また、ドニーは2日の「エンジンが落ちてくる」日まで戻る。今度は、エンジンにつぶされ、自分の人生を終えるために。全ては、ここで自分がつぶされることによって、後に自分の周りの人に起こるであろう不運な出来事を阻止するため。

「ドニー・ダーコ、ってまるでスーパーヒーローの名前みたい。」という、最愛のガールフレンドのグレッチェンの言葉が現実になるのだ。(グレッチェンと彼が出会う前の日にさかのぼってからの出来ごとではあるが・・・)

1988年に20歳だった私はドニーよりも少しだけ年上、という設定だ。(劇中の「エリザベス」くらいか?)オープニングに流れるエコバニ(バニー、ってことは「フランク」!!)の「キリング・ムーン」も、タレント大会でサマンサたち(スパークル・モーション)が踊る「ノトーリアス」もどんぴしゃ世代だ。80年代U.K.音楽オンパレードのこの映画、いろいろな意味で、たまらない。

ドニーは、謎の兎のきぐるみ「フランク」から不思議な言葉を受け、次第に学校を水浸しにしたり、胡散臭い自己啓発セミナー男(パトリック・スウェイジ!)の家を燃やしたり・・・と謎の行動を2日から30日の間にとる。そうして、次第に、自分が2日の時点にさかのぼり、犠牲になることにより、世の中が丸くおさまることを自覚する。さわやかに、げらげら笑いながら、安堵の表情でエンジンにつぶされるドニー。嘆いたりしない。最後は口角をきゅっとあげたスマイルで、狂った世界から消えゆくドニー。

2001年の映画だが、ハロウィーンの時期になるといつも見たくなる。何度見ても、新しい発見をする。自分も年をとったからか、今回はドニーの母親のローズの視点で見ていた。「僕がサイコな息子でどんな気分?」と母親に尋ねるドニーに「It feels wonderful.」とうっすら涙を流しながら答える母親。どんな状態でも「お前が私の息子でいてくれて、ありがたい。」と思っているのだろう。なんやかんや言って、かなり気持ちの優しい父親や、性格はちょっときついけど、愛にあふれた母親、そして、口げんかは多いけど思いやりのあるお姉さんとかわいい妹、そんな家族に囲まれて高校まで生きてきたドニーの人生は幸せだったはずだ。10月2日から10月30日の間に、夢のように美しいグレッチェンと知り合い、愛し合った二人。ハロウィーンのパーティのとき、階段を下りるときに右足、左足の動きが二人ともぴったり合っていた。このシーンは二人が身も心も一つになったことを美しく表現している。(うまいね!リチャード・ケリー!)

ドニーの人生は輝いていた。

ものすごく、人生の質を上げる映画だ。「ドニー・ダーコ」を見ているか、見ていないか、でその人の人生の質は変わってくると思う。大げさではなく。だから、私はドニーに感謝している。

それにしても、ジェイク・ジレンホール、いい顔しているな。ものすごくダークな顔から、輝く青春のスマイルまで。くるくると表情が変わる。大好きだ。

圭子

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