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2013年3月 7日 (木)

「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」-アメリカって大変!-

仕事も失敗し、体の関係だけの男と不安定な付き合い方をして、幼馴染の親友は結婚が決まり、どん詰まりの状態の「決してもう若くはない女性」アニーを描くコメディー。

タイトルが示すように、本作では「ブライズメイド」の風習が描かれる。日本人にはなじみのあまりない伝統で、花嫁の姉妹や友だちなどが結婚式において花嫁の付添人をする。アメリカの映画でよく見るあの、おそろいのドレスを着た女性たちだ。てっきり結婚式で花嫁と一緒に立つのが役目だと思っていたのだが、それだけではない!この映画で知ったのだが、結婚式の前のブライダルシャワーの企画をしたりとか、どんなおそろいのドレスを着るかを決めたりとか、かなり積極的に式の準備にかかわらないといけない。まあ、日本だと二次会の企画くらいは友だちがしたりすることもあるだろうが、基本的には招待客は式に出席してご祝儀を渡したり、個人的に新郎新婦にプレゼントを渡すだけなのが一般的だろう。本作を見て、アメリカっていろいろ大変なんだな、と強く感じた。

女の一生は、山あり谷ありだ。アニーが、親友リリアンが結婚することを聞いたときの表情が物語る。すごくうれしい。でも、ちょっぴりさびしい。自分がうまくいっていない時でも、友だちは人生最高の時を迎えることだってある。相手も自分のステータスとシンクロして「落ちたり上がったり」することはめったにない。自分が失業中にも親友は素晴らしい仕事を得るかもしれないし、自分が結婚したくてしかたないまま独身を貫く羽目になっているタイミングででも、親友の結婚式を仕切る役目を背負わないといけない場合もある。こういうことはたぶん、一生続く。自分が家族の介護でどっと疲れているときに、親友は健康な家族と行った海外旅行の絵葉書を送ってくることも、きっとあるであろう。そして、逆の場合(自分がうまくいっているときに、親友はどん底の状態)だってあり得る。子供の頃は、そのあたりがフラットだ。小学生、中学生の頃、「私は介護で大変なのに、あの子は遊んでばかりだ。」という不公平さはそれほどないだろう。こういう「状況の不公平さ」は大人になればなるほど、頻繁になるはずだ。

というわけで、大人の女の友情は、うまく育てるのが本当に大変だと思う。でも、絶望はしない。この映画のように、「山あり谷あり」の中でも、神様は頑張る人を見捨てたりしないんだ、と思える瞬間もあるはず。本作は、お下劣なシーンもかなりあるし、基本的には腹を抱えて笑いながら見るコメディーだ。しかし、上記のような「状況の不公平さ」にも負けない主人公アニーや、その他のブライズメイズたちの「不条理になんて負けずに立ち上がってやるぜ。」という心意気も見せてくれて、単なるコメディーを超えた、清清しさの要素もたっぷりある。意外と(と言ったら失礼だが)、感動もしちゃったりする作品だ。

それにしても、こんなところであなたと再会できるなんて!と驚いたのが、マット・ルーカスだ。アニーとルームシェア(それも、そのルームシェアに本当に妹かどうかわからない彼の妹も含まれていて、謎めいている!)しているギルを本当に、本当に、リアルに演じている。(ルームシェア相手の男で、こういう人いそうだ、と思わせるのだ!!)ギルと妹の関係は、怪しすぎて最高だ。このマット・ルーカス、「リトル・ブリテン」というBBC のコメディで一人何役もしているのだが、すべて「あるある」なのだ。たとえばコギャルのヴィッキー。こういう不良少女、いるよなああ、というキャラクターを小太りの30代のマットがリアルに演じる。今後も映画の中で一生忘れることのない役を演じ続けてくれ、マット!

そして、クリス・オダウド。この人がいると、映画が「あったかい」ムードに包まれる。最高の笑顔だ。彼の演じる警官が、すごくいい。何がいいかと言うと、夜中のコンビニ(正確には「酒屋」だが。)でミニ人参のパックを買って「多すぎるからシェアしよう。」とアニーに言うわけだ。人参を夜中にコンビニで買う人に、悪い人はいない。とても素晴らしい場面設定だ。このシーンは大好きだ。

アニーを演じるのはクリステン・ウィグ。どこかで絶対見たことがある、と思って調べると、いたいた。まずは「ローラーガールズ・ダイアリー」でのマギー・メイヘム。いい味だしてた。そして、ライアン・ゴズリング主演の「幸せの行方...」にも出ていた!印象的なシーンがある。彼女が、キルスティン・ダンストと一緒にレストランで食事をするシーンだ。キルスティンのクレジットカードが使用できない状態で、ウェイトレスと気まずくなっている。そんなキルスティンをじろじろ見る周囲の人々に対し、「Eat your salad.」とキッとした目で言い放ったローレン。このローレンをクリステン・ウィグが演じていた。このセリフには、「鬼龍院花子の生涯」の「なめたらいかんぜよ!」に通ずるものがある。シリアスな役からコミカルな役までマルチにこなす最高に輝いている女優だ。今後も目が離せない!

圭子

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