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2013年3月19日 (火)

「恋人たちのパレード」、そして「セカンド・カミング」-邦題が残念!-

原題は「Water for Elephants」。同名の小説が原作となっている映画だ。小説の方は「サーカス象に水を」という邦題だそうだ。ならば、映画の方もこの邦題でよかったのではないか?もし、「象」がタイトルにいるとなんとなくわかりづらいタイトルになるなら、まあ、たとえば「サーカスの恋」とか「サーカス小屋の愛」とか、なんとかならなかったのだろうか!?この「恋人たちのパレード」というタイトルはあまりにも意味不明だ。映画を見終わった後、誰もが思うだろう。「パレードなんてせんやん!?」と!

1931年、アメリカ。時代は「大恐慌」まっただ中。事情で大学を卒業できず、放浪しているジェイコブ(「人間」役のロバート・パティンソン!)はサーカス一座に入り、そこで動物世話係として働くようになる。サーカス団長のオーガスト(クリストフ・ヴァルツ)、その妻で美しい曲芸師のマーリーナ(運動神経がむちゃくちゃよいリース・ウィザースプーン)、そしてジェイコブは微妙な関係になっていく・・・

私はこの映画をなぜか、オーガストの気持ちになって見てしまった。この映画で彼は悪役を演じる。しかし、100%の悪役ではないのだ。使い物にならなくなったスタッフを走る列車から「投げ落とす」彼。ひどい「リストラ」の仕方だ。そして、妻と動物世話係ジェイコブの関係に嫉妬し、キレる彼。でも、オーガストもしんどいよな、という気分にさせるのは、やはり、人間臭い演技のヴァルツのおかげだ。リストラも、冷酷に、せせら笑いながらしているのではない。つねにサーカスの経営を案じ、心休まる暇もないオーガストを、私は「悪者」とは定義できない。そして、明らかに自分より外見も魅力的で、年も若く、自分にない魅力にあふれたジェイコブが、自分の一番の宝物である妻の心を奪っていることを冷静に受け止めることができないことも、十分理解できる。しかし、運命の恋に落ちたジェイコブとマーリーナもまた、悪くない。結局誰も悪くはないのだ。三人で幸せに暮らすことはできないので、「誰か」が不幸にならないといけない。

映画は、老人が昔々の自分の若いころを語り、次第に昔の時代そのものを描き、最期は現代にもどる、という「タイタニック」のドラマチックな方式を使っている。そうなのだ。邦題をきちんとしていたら、第二の「タイタニック」になっていてもおかしくない映画だ。「恋人たちのパレード」じゃああ、あかん。「パレードなんてせんやん!?」(2回目)

もう一作、残念な邦題の映画を見た。原題「California Solo」、邦題「セカンド・カミング」。映画を見終わってもなぜ、「セカンド・カミング」なのか、まったくわからない。そのまま「カリフォルニア・ソロ」で、いいのでは??ロバート・カーライル主演。

うまくいっていない男がいる。ラクランという。スコットランドからアメリカに移民してきて、今は農場で働いている。うまくいっていない。もう若くも、ない。昔いいとこまでいったミュージシャンだった。しかし、トラブルがあり、今は音楽活動からは身をひいて、農場でほそぼそとやっている。たまに町に出て、野菜を売る。家に帰ると酒を飲みながら、DJ (ポッドキャストで)をしている。そんな生活に自分で満足しているなら、いい。だが、問題は彼が「本当はこんなはずじゃなかったんだが。」という気分で生きていることだ。

ラクランがなぜ、今アメリカにいて、なぜもう音楽をやっていないのかが、映画の途中でわかる。非常につらい。でも最後には何か救いがあればいいのだが、それも、ない。なので、邦題の「セカンド・カミング」がなんとなく浮いてしまうのだ。

この映画の中で、ラクランはよく、苗字を誤った発音で呼ばれる。MacAldonich という名前なのだが、きちんと呼ばれないのだ。もうかなり長くアメリカに住んでいるし、永住権もある。でも名前をきちんとした発音で呼んでももらえない。いつまでたっても「よそ者」な気分だろうな。solo という言葉には「一人で」という意味もある。ラクランのこの「一人ぼっち」な気持ちをそのままタイトルに入れたらいいじゃないか。「California Solo」という原題のママで邦題にしたらよかったのにな、と強く思う。

それにしても昔々、「レ・ミゼラブル」を翻訳した方(黒岩涙香という明治の翻訳者の方)が日本語タイトルを「噫無情」にしたのって、最高にイカしている。

圭子

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