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2013年5月 1日 (水)

「月光の囁き」、そして「宇宙人ポール」-その他大勢なんて、どうでもいい、好きに生きればそれでいい-

「月光の囁き」。普通の恋愛映画ではない。主人公の高校生「拓也」と「紗月」は、剣道部に所属する仲良しだが、拓也は紗月の何もかも(ロッカーに置いてある体育のブルマーや、足についた泥さえ)を愛し、紗月は過酷な「拷問」を拓也に課す。何を命令しても、決して拒否はしない拓也。その究極な愛を、困惑しながらも、ある瞬間からは受け入れる紗月。

本作を安易に「SM 映画」とカテゴライズする人もいるだろう。私は「恋愛映画」だと思う、それも、非常によくできた、品質の高い恋愛映画だ。

主演の水橋研二。なんか見たことあるな、と思っていたら、この間までやっていた「純と愛」で、「里や」に泊まっていた客だ。この人、この映画で神がかりな演技を見せている。こういう役を演じてしまうと、その後の人生「普通」ではいられなくなりそうだ。大人になった彼の演技をもっと見たい。

スピッツの「運命の人」ほどこの映画のエンディングにぴったりの曲はない。運命のチョイスだ。気持ち良い曲と、気持よい二人の若者に、まるで高校生に戻ったような気分になる。ああ、こんなきれいな映画、ない。

人間は、この映画を見て、さわやかな気分になる人種と、この映画を見て、不快感を得る人種の2種類に分かれるだろう。私は前者だ。そしてそのことが原因で「変態」と呼ばれるのなら、喜んで呼ばれたい。変態で結構。「おしっこを飲め」と言ったらちゃんと飲んでくれるような人と、私は恋愛をしたい。「その他大勢」の人が後ろ指を指すなら、それはそれで、構わない。

「宇宙人ポール」。イギリスからはるばるサンディエゴのコミコンにやってきた二人の男。二人はいわゆる「オタク」だ。グレアムはイラストを、そしてクライブはストーリーを書く。あこがれのアメリカに来て興奮気味の「弥次喜多珍道中」的なRVの旅が始まる。

途中から二人のRVには、偶然出会った宇宙人ポールと、狂信的なキリスト教信者ルース(「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」のクリスティン・ウィグ、最高。)が乗り込む。

ポールに関しては、最初はそんなにかわいく見えないのだが、人柄(「人」ではないが。)を知るにつれ、なかなかかわいく見えてくるのが不思議だ。声はセス・ローゲン。これがこの映画を大成功に導いている。「TED」のときもそうだったが、セス・マクファーレンの「声」がキャラクターに命を吹き込んでいたのと同様、今回もセス・ローゲンが北米(卑語、マービン・ゲイ、マリファナなど)をぷんぷんさせることで、いわゆる「宇宙人」のイメージからどんどん離れ、意外性を表し、映画を大成功させているのだ。そして、典型的な宇宙人イメージから離れて独自性を出すだけでなく、旅するイギリス人インアメリカ、の構図も、独特なアクセントになっていて、目新しさを表している。(クライブが、RV の外でバーベキューをしているとき、RV から出てきたポールに対し「Hello.」と話しかけるのを私は見逃さなかった。出会ってしばらくたっているのに、「Hello.」だ。決して「ハーイ!」ではない。)

乳首が三つあるキャラクターが出てくる小説を書く?あんたおかしいんじゃない?そんな声なんて気にしないでいい。UFO オタク?ダサい!そんな声も気にしなくていい。「大事な仲間には宇宙人もいます。」、って、どういうこと?普通じゃないよね?そんな声も無視しよう。その他大勢なんて、どうでもいい。好きなことを、好きなように、好きな人と一緒にしたらよい。自分の心の声を聞き、正直に生きれば、どんな環境でも、住みやすい「宇宙」になる。そんな壮大な世界観すら見る者に与える「宇宙人ポール」に乾杯。

圭子

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