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2013年7月23日 (火)

「スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち」-Matt Lucas Rules!!-

LA のぼろっちいアパートに住むフランクリン・フランクリン(苗字も名前も一緒!)。本場スイスでアルペンホルンを吹くのが夢だ。夢はなかなかかなわないので、そのぼろっちいアパートで隣人に文句を言われながら吹く。演じるマット・ルーカスははこの映画の大半を裸、ブリーフ一丁の姿で演じる。髪の毛もないし、裸だし、とにかくすごい。そして、「なぜアルペンホルンなんだ?」という素朴な疑問など「ぱおおおおお~」というホルンの音で吹き消す。素晴らしいまでのカリスマ性だ、マット・ルーカス。(どことなく荒川良々をほうふつさせる・・・)

同じアパートの隣人で「やることリスト」に忠実な、ヤク中男(あまりにもかっこいいジョニー・ノックスビル)のトミー、同じく隣人の感じが悪い画家、オールスパイス氏(ジェームズ・カーン)。フランクリンの向かいのアパートの住人シモーヌは人生にひと花咲かせたいと野望を持ちつつも、たばこを買う金もなく、コンビニのお兄ちゃんにおっぱいをもませる代わりにマッチとたばこひと箱をもらうような生活をしている。アパートで起こる怪しい出来事を捜査する男ウォルナット氏(ビリー・クリスタル)も、妻が浮気をしていて別居している状態、という「とほほ」な傷を心に抱えている。

このアパートに住む人(そして彼らにかかわる劇中の人々)は、皆、悲しくも、うまくいっていない現状を、それでも淡々と、生きている。(なので、この映画は「コメディ」というよりも「トラジェディ」だ。だが、「コメ」と「トラ」は紙一重なのかもしれない・・・)

フランクリンには精神病院に入院するお兄、バーナードがいる。このお兄さんが、家賃を滞納して大家からやいのやいの文句を言われ、お先真っ暗なフランクリンの人生に、大きな光を与えることになる。見終わった後、ものすごい快感を得る映画だ。途中まで、かなり地獄だが、その快感まで、辛抱して見ていただきたい。

マット・ルーカスは、好き嫌いが分かれる俳優であろう。典型的なイケメンではない。むしろ、びっくりするような風貌なので、「慣れる」まで少し辛抱がいるかもしれない。でも慣れた後は、虜になる。そんな俳優だ。17世紀に設立されたパブリックスクール出身で、「Little Britain」でヴィッキー・ポラードという架空の不良娘も演じ、2009年には、ホモセクシャルの元パートナーが首をつって自殺したことを知る、という地獄のような経験もしている。そもそも、子供のころから「自分がストレートではない」ということに気づきながら生きるといういばらの道を歩んでいて、どうしてこんなにいつも人を笑わせることができるのだ!?彼の演じるどのキャラクターを見ても、「いるよなああ、こんな奴!」と思い、笑ってしまう。そして、彼はインタビューの映像を見ると、本当に人当たりがいい。いつも満面の笑みだ。マット・ルーカスの笑顔は輝いている。地獄のがけっぷちを落ちないように気を付けながら真剣に歩いているのに、彼の笑顔は子供のそれのようだ。

「Little Britain」や「Bridesmaids」ではコメディアンとしての恐ろしいまでの才能を見せつけてくれたが、本作ではシリアスな場面もあり、新しいマット・ルーカスの面を発見できた。限りない才能に乾杯。彼がOBE やらCBE やらをがしがしゲットしていく日もかなり近いと思う。昨日生まれたウィリアム王子とキャサリン妃の息子が大きくなるころ、マット・ルーカスはSir と呼ばれていると強く予測する。

圭子

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