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2014年1月26日 (日)

「ムービー43」V.S.「ペーパーボーイ 真夏の引力」-ここまでやるか!?-

恐ろしい映画を見た。「ムービー43」。何が恐ろしいかというと、これほどのビッグネームの俳優たちが、なぜに、これほどのお下劣映画に、こんなに大量に出ているのか、という点で、恐ろしいのだ。そして、このオムニバス映画のそれぞれのエピソードが、考えられないほどに、お下劣で・・・ 内容的にも、恐ろしい。実験的な映画だ。

10個ほどのエピソードの中で、一番印象的だったのは、ヒュー・ジャックマンとケイト・ウィンスレットのものだ。これは、とんでもない。キャリア・ウーマンのケイト演じるベスと、ヒュー演じる成功者デーヴィス。二人はブラインドデートでレストランに行く。レストランに着いて首に巻いていたスカーフをはずすと、なんと、デーヴィスの首ののど仏のあたりに、睾丸がぶらんぶらんとぶら下がっている。(シュールな映像だ。)戸惑うベス。周りの店員は和やかに二人を迎える。(このレストランはデーヴィスの行きつけの店だ。)客たちも特に驚いてはいない。自分だけがこの異常な状態に戸惑っている、という不可思議なシチュエーションを、顔の表情で多彩に演じるケイト・ウィンスレット。この女優は、こういうことをやらせたら、天下一品だ。それにしても首から睾丸って、そこまでやるか!?なぜそこまでやる!!?

この映画は下劣だ。私は決してこういうタブーに挑戦した映画が嫌いなのではない。たとえば、パゾリーニの「ソドムの市」という映画がある。排泄物やら拷問やらのオンパレードだ。そんな異常な世界の中、ラジオから流れる曲に合わせ、静かにダンスを踊る兵士。そこには芸術の美しさがあった。芸術があれば、どんなタブーも受け入れる、しかし、「ムービー43」には芸術がない。変な話がどんどん続けざまで描かれるお下劣版「デカメロン」てな感じだ。

ハリウッドで戦うには、限界に挑戦することが必要なのかもしれない。昔「モンスター」で体重を10キロ以上増やし、顔も特殊メイクでたるませて、その結果オスカーを獲得したシャーリーズ・セロン。「ザ・ファイター」では毛を抜き、歯並びまで変えてコカイン中毒者を演じたクリスチャン・ベール。つけ鼻でヴァージニア・ウルフを演じ、オスカーを獲得したニコール・キッドマンもいた。そんなニコールが、今度は放尿シーンまでこなした映画「ペーパーボーイ 真夏の引力」を見た。

1960年代の、まだ、黒人が「ニガー」と呼ばれていた、人種差別の色の濃い時代のフロリダが舞台である。新聞配達のジャック(ザック・エフロン)、彼が恋する年上の女シャーロット(ニコール・キッドマン)、ジャックの兄で新聞記者でもあるウォード(マシュー・マコノヒー)、そして、獄中にいるシャーロットの婚約者ヒラリー(ジョン・キューザック)。ヒラリーは果たして殺人を犯したのか否か。冤罪を信じるシャーロットたちの調査や、ジャックの恋をねっとりと描く。

ニコール・キッドマンがすごい。この人はもう、ある時点からなんでもやるようになった。前述のつけ鼻もそうだ。「誘う女」あたりから勇敢になってきた。今回は、クラゲにさされたザック・エフロン演じるジャックにおしっこをかけて応急措置するシーンがあるが、吹き替えではないそうだ。あなたはカメラが回る中、たくさんの人が周りを囲む中、いいタイミングで放尿できますか?私にはできません。ニコールはすごい。プロだ。おしっこのプロでもあり、そして、美しさもある。神は二物を与えた。

http://www.deadline.com/2012/05/nicole-kidman-speaks-out-on-taking-risks-taking-roles-and-taking-over-cannes-interview/ (Deadline.com ニコールのインタビューのコメントあり。)

それにしても、最近どの映画を見てもマシュー・マコノヒーに出くわす気がする。働きすぎだぞ、マコノヒー。マコノヒーは44歳で、1991年から活動している。私自身と世代も社会生活経験年数もほぼ同じだ。この年齢になると、少し疲れが出てくる。身体にも、心にも、だ。そんな疲れが始まる世代の人間として言うが、このマコノヒーの肉体のしまりはなんなんだ。むちゃくちゃ頑張ってるで、マコノヒー。運動しまくって体をしぼっているマコノヒーに乾杯。

ニコールの怪演にも、マシューの頑張りにも、そして、ジョン・キューザックの不気味さにも、すべてにスタンディング・オベーションしたい。(そして、もちろん、青春スターを卒業してもやっていけることを証明したザック・エフロンにも!)この映画はもっと話題になるべきだ!!

圭子

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