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2014年8月30日 (土)

氷室京介~一人の人間の成長を見る感動~

私にとって、BOØWYや氷室京介氏を聞くことは、タイムマシンに乗るようなものです。でもそんなに単純ではありません。氷室さんの曲を聞いてタイムマシンで戻る時代の世界には、私は住んではいないのです。私はせっかく黄金の時代に氷室さんに比較的近い年齢で生きていたにも関わらず、きちんと彼の作品を手に取っていなかったから。なので、タイムマシンで戻る過去を、新しい情報として改めて勉強している毎日です。

BOØWYが全盛期のころ、ラジオから流れる彼らの曲を聞くことがあったり、同じクラブのバンドのメンバーがコピーをしているのを聞いたりすることがあっても、積極的にアルバムを買ったりライブを見に行くようなことは一度もなかったのです。1987年(絶頂期)に彼らが渋公で突然解散したころ、私自身仲間とバンドをしていましたが、どちらかと言うともっと泥臭いThe Cult や、ZIGGY、RED WARRIORS などを中心にコピーしていたもので、「ファッショナブル」で「きれい」で「メジャー」なBOØWY を積極的に聞くことを、避けていたような気がします。

それが、先日の突然の氷室京介さんの卒業宣言で急に、改めて80年代にさかのぼってBOØWY、そして、ソロになってからの作品を恐ろしい勢いで音楽・映像で復習し、30年くらいの歴史を一か月ほどで把握しました。

なので、30年間氷室京介(やBOØWY作品)をずっと追い続けてきた正真正銘のファンの皆さんからすると、私は正真正銘の「にわかファン」です。そして、にわかファンになったときには、氷室さんは卒業をすることをすでに決めていたという・・・

同じ時代を別のパラレルワールド(つまり、氷室京介やBOØWY作品とかかわりを持たない世界)で生きてきた人間の私が、今遅ればせながら80年代、90年代、2000年以降の作品を確認していった結果、私は氷室さんの歌う世界の変化をとても心地よい驚きと共に発見していっています。

BOØWY のころの曲は、女とは身体の関係さえあればそれでいい、という感覚(しかし、心のどこかで、それだけでは寂しいな、という哀愁を感じずにいられない)の歌が多かったと思います。若いってそういうことですよね。

ソロになった初期の曲、例えば「FLOWERS for ALGERNON」に入っている曲たちには「現実逃避」のテーマも多くみられる、と私は思います。(例「ROXY」ではつまらない現実の生活も好きな女といれば(セックスすれば?)忘れられるという気持ちが見えるし、「Alison」にも、車の中でしか性行できない相手との現実逃避の刹那的な関係でしょうか、そういう「今・ここ」だけの幸福感が描かれているような気がします。)若いときには、そういうやるせない衝動もあるし、うまくいかない現実でもがきつつも夢に逃避してみたくなる瞬間もあるものです。

そのような若さでもがく世界から、誰が「魂を抱いてくれ」のような穏やかな世界観を想像できるでしょうか?きどる必要のない相手との安らかな「秋」のような愛。髪をつんつんに立てていたとんがった渋公の「1224」のブルーアイシャドーの氷室さんが、こんなに飾り気のない、自分の弱さすらを認めたような正直な歌を歌うなんて。(松本隆さんの詩がすごい。)

震災の被災者の方々に向けて作られた「IF YOU WANT」からは、強いエネルギーを得ました。そして、迷いながら生きている私自身の不器用さも肯定された気がしました。

ご自身が書いた詩も、作詞家の方が書いた詩も含め、氷室さんの歌う世界観の成長に、遅ればせながら感動しています。一人の人間の成長を見ているようで、ただひたすら感動してしまうのです。

それこそ長い長いファンの方は、大昔の新宿ロフト時代からずっと彼を追ってきて、今私と同じくらいの年齢の方も多いのだと思います。そういう方々は、この30年もの時間を歌詞の内容の変遷、氷室さんの風貌の変遷(どんどんかっこよくなってきている)を時系列を同じくして見てきたんですよね。私は同じ時代を同じ国(途中から氷室さんはLA に移住されましたが。)にいながら、生活の中に氷室さんがいない人生をこんなに長く生きてきました。なので、偉そうなことは申しません。ライブに万一来年行くことができても、目立たないように参加させていただきます。

皮肉ですが、今回氷室京介さんが卒業宣言をもししていなかったら、私は彼のいないパラレルワールドに今も生きていた可能性があります。幸運にも、今は、同じ空気を吸う世界に生きることができます。lost 3 decades をうめるべく、私は毎日狂ったように氷室京介の世界におぼれています。ライブは卒業なさっても、音楽を作ることは続けていただけると本当によいな、だって、あなたの生み出す作品は、人の人生をどんでん返しさせるくらいすごいんだから!と心から祈りつつ!

圭子

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