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2015年1月19日 (月)

「ショーン・オブ・ザ・デッド」-かっこよくなくたって、全く構わないんだ!-

DVDで映画を借りると、冒頭にアメリカの人気ドラマの予告編が山ほど入っている。どれもこれも、「かっこいい」人ばかりに光を当てている。びしっとスーツに身を固め、さっそうとニューヨークの街を歩く弁護士。外科医たち。社会で光の当たった人たちを描く話が多い。では、「光の当たらない人」はどこに行けばいいんだ?そんな人たちは物語の主人公にならないのか?

本作「「ショーン・オブ・ザ・デッド」の主役、ショーンは、家電屋の店員だ。10代の部下たちに馬鹿にされながら働いている。私生活では恋人のリズとの関係もうまくいっていない。家には腐れ縁の友人エド(時々ドラッグディーラーとして金を得るが、基本的に無職。家でゲームしながらごろごろ・・・)が同居している。ショーンとエドは、基本的にDVD冒頭に入っている「美しく裕福で、社会の上の方に位置する人たち」とは対照的だ。人生はあまり輝いていない、しかし、かといって苦悩はしていない。よく笑う。嫌なこともあるが、パブに行って「がははは!」と笑いながらビールを飲むと、とりあえず一日はこなせる。毎日、一日ずつこなす。それはそれでいい、という生き方だ。

まず、この部分に救われた。かっこよくて、輝いていて、経済的にも豊かで、周りにうらやましいと思われる、ということが第一目標であらねばならないとすると、その目標にたどり着くことができない人は、皆不幸になってしまう。しかし、目標は人それぞれでいいのならば、皆、それぞれの場所で気持ちよく生きることができる。ショーンはきっと、映画の冒頭と、(中盤、いろいろとゾンビたちとの戦いもあり、かなり大変だが)映画の終わりでは、状況は変わっていないだろう。多分今も、家電の店で10代のスタッフには馬鹿にされたり、彼らにガムをくっちゃくっちゃ噛みながら対応されたりしているのだろう。恋人リズと復縁していることは、改善点だが、彼の人生は相変わらず、だ。でもそんな「相変わらず」な人生が暖かい朝の光に包まれるこのエンディングが素晴らしい。

こういうタイプの人間が主人公になりうる「イギリス映画」が大好きだ。「Withnail & I」もそうだ。いい年をして、ろくに仕事にもありつけない売れない俳優が家をシェアする。暖房もなく、寒い部屋の中、ライターのオイルを酒代わりに飲む、それも、アホのように笑いながら・・・。こんな人物、アメリカの映画で主役にならないはずだ!だが、人生、いつもいつもうまくはいかない。うまくいっている人ばかり見せつけられても疲れてしまう。私は、うまくいかない状態でも姿勢を正して、さらにユーモアも忘れずに淡々と生きている人を描くイギリス映画が大好きだ。

圭子

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