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2016年1月22日 (金)

「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」V.S.「セッション」-目的さえしっかりしていれば大丈夫!-

今年になって見た映画の中で、本作「イミテーション・ゲーム」と、少し前に見た「セッション」が、タイプは全く違う映画なのだが、根底に流れるテーマが似ていた。

2作とも、相容れないメンバーが、対立しながらも、共通の大きな目標に向かっているうちに、どんな仲良しグループにもかなわないような絆を結ぶ、というシーンがある。そして、2作を見ていて、「こういう感覚さえ持っていれば、何度も何度も会社を変わったり、仕事を変わったりしなくて済んだのかもしれない。」とまで感じた。自分の嫌な過去を反省してしまうほど、私のとってこの2作は、生き方を見直すほどに大きな影響を与えるものだった。

「イミテーション・ゲーム」は、第二次世界大戦のころの時代を舞台にしている。ドイツの暗号「エニグマ」の解読のために集まったチームの、「そんなん無理やろ!?」という努力を描く。実話が元になっている。

暗号を解読するための人員として集まったメンバーは、最初のころは変り者のアラン(ベネディクト・カンバーバッチが、もう「ベネディクト・カンバーバッチ」には見えない演技で数学者アラン・チューリングになりきっている。)と、チームワークを組みづらそうに仕事をしている。たしかにアランは変わり者だ。ランチにも他のメンバーと一緒に行かないで、自分の世界に入り込んで働く。

コミュニケーションの取り方も独特なアランなので、仲間たちはまとまりを持った働き方がしづらい状態が続く。しかし、エニグマの解読に光が見えてきたころから、息の合ったスポーツのチームのような状態で働きだす。

しかし、この「息の合った働き方」は、別にメンバー間でプライベートに意気投合して、仲良くなった、といったメンタルな変化からではなく、単に「エニグマ解読してイギリスを戦争で勝たせるど!」という強い明確な目標があったからだ。ここに、私が今まで働いてきたときにない流れを感じた。

会社勤めをしていたころ、一番悩んだのは「会社の同僚・上司との人間関係」だ。要は、気持ち的に打ち解け、信用できる関係を築けないと、仕事に集中できず、結果、人間関係に心も体もへとへとになって、結局会社から会社、職場から職場を移動していたような気がする。もしも、私に本作のエニグマ解読チームのような、強い目標、つまり、「あいつとは気が合わない。しかし、そんなの関係ない。あいつも俺も、暗号解読に関しては国のトップレベルだ。目標達成のために、今日もやれるだけのことをするぞ。」という考え方ができていたら、もしかしたら、一回も転職せずにすんだかもしれない、とまで思ってしまった。(今は会社に所属せず、一匹狼的仕事をしているから、問題はないのだが。)

そして、本作を見る前に見た「セッション」という映画でも、同じような感覚を得たものだ。この作品は、若きドラマーが、鬼軍曹のような指揮者に悲惨なまでのしごきを受け、もう、こんな奴死んでしまえ!と思うほどの怒りを感じながらも、最終的に劇的に成長していく話だ。

この作品を見ている最中も、「私がこのドラマーだったら、すぐにこんな環境は自分のためにならない、と辞めるだろうな。」と考えていた。多くの人がそう感じるだろう。尋常ではないしごきだった。文字通り、指揮者は、鬼、のような指導のしかたでドラマーを育てる。

しかし、本当の成功者は、指導者がどんなに理不尽であろうとも、いじめにも似た扱いを受けようとも、「最終的に自分は世界一のドラマーになるんだ。」という確固とした目標さえ見失うことなく保っていたら、その環境にとどまり、結果として大きな達成感を得ることができるのであろう。劇中のドラマーもそうだ。ラストのカタルシスといったら、見ている者が「くやしい!私もこの人になりたい!」と思うほどの、ものだ。そして、「鬼軍曹」(J.K.シモンズが、指揮者なのに、ダンサーのようないい体だった!)の方も、成長したドラマーに対して、鬼の形相から、仏のような表情に変化していく。いいジャズを演奏する、という共通の目標のもと、魔法にかかったような二人はステージで輝く。

結局、「気が合う」「仲良し」という要素を重視しすぎると、自分のいる環境が耐えられなくなる。そんな要素は、本当はどうでもよいのだ。一番大事なのは、「自分がどういう風になりたいのか」という目標を胸に刻み付けておくべきこと。2作を見て、もし可能なら15年くらい前の自分にそんなことを教えてあげたいと思った。

圭子

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